Japan Association for Medical Informatics

[4-C-4] デジタルヘルスの未来を担うPersonal Health Records (PHR) データの流通促進にむけた取り組み

*Satoshi Yamashita1,2, Keiichi Yamamoto3, Eizen Kimura4, Tomonari Shimamoto5 (1. Nagoya Garden Clinic, 2. Nagoya University Hospital, 3. Translational Research Institute for Medical Innovation, Osaka Dental University, 4. Graduate School of Medicine and School of Medicine, Ehime University, 5. Graduate School of Medicine, Kyoto University)

近年、個人に関するあらゆる健康・医療データを集積し、利用することで健康増進や医療の最適化などに寄与するPersonal Health Records (PHR)が注目されている。政府のデータヘルス改革・医療DXでも大きく取り上げられており、社会のPHRへの期待は高い。また、個人の健康に対するデジタルツインを構築することは健康管理の自動化や未病の検出につながり、その疾病予防や医療経済への貢献は大きい。しかし、現在のPHRの大部分は個人の健康ニーズの1側面に焦点を当てて作成されており、個人のニーズを完全に満たすにはそれらを連携して使用していく必要がある。しかし、まだ個々のPHRが連携して動作するためのルールは整備されていない。PHRの利用を推進するためにも早急に仕組みを整える必要がある。そのため、PHR普及推進協議会は2022年度からそのための作業班を設置し、相互運用性の向上のために活動してきた。これまで、既存の標準規格(Open mHealth規格、FHIR規格、マイナポータルAPIなど)の調査、現在IEEE1752シリーズとして標準規格化されつつあるOpen mHealthの日本語化、生活習慣病関連9臨床団体の制定した生活習慣病自己管理項目セット集(第2版)をターゲットとしたターミノロジーの整理などを実施してきた。今回、それらの活動成果を含めた「民間事業者/自治体のPHRサービスに関わるガイドライン(第3版)」を公表したので、これまでの取り組みと今後の展望について報告する。総論を山本先生、Open mHealthの日本語化の取り組みを山下、ターミノロジーに関する取り組みを木村先生、実証のための取り組みを島本先生が担当する。PHRに興味がある研究者、PHRを実装している事業者だけでなく、PHRの利用に興味のある医療者、デジタルヘルスに興味がある方にも役立つ情報を提供する予定である。