一般社団法人 日本医療情報学会

[4-D-1] 診療記録の標準化.その実際と方向性 ~真に有効な情報共有のために~ 
---「退院時要約等の診療記録に関する標準化推進合同委員会」(医療情報学会・診療情報管理学会)主催)----

*渡邉 直1、高橋 長裕2、岡田 美保子3、迫井 正深4、宇都 由美子5、池田 和之6 (1. 医療情報システム開発センター、2. ちば県民保健予防財団総合健診センター、3. 医療データ活用基盤整備機構、4. 厚生労働省、5. 鹿児島大学病院医療情報部、6. 奈良県立医科大学附属病院薬剤部)

standardization, EMR, HL7 FHIR, core medical information, medical DX

Multi-morbidity (複数疾患・複数健康問題の存在),specialty (医療・健康管理の分担化),mobility (患者の移動),calamity (災害がよそ事ではない現代)の医療環境を踏まえる時,コアな診療情報をいつでもどこでも獲得できる枠組みとそのコンテンツの整備が喫緊の要請として浮かび上がる.政府,厚生労働省はこの要求を医療Dx(digital transformation)の最重要視点として呈示し,その実装を医療界に強く要請してきていると言えるだろう.HL7 FHIRという標準・共通の規格で必要アイテムを整理し登録,そして送出できる基盤を電子カルテ内に整備するというシステム的な取組みが定められているが,ではそこに必要なコア情報をいかに登録し,整備するべきなのかについて十分なガイダンスが存在するとは言えない現状である.さらに言えば,いわゆる“6情報”をコアな健康管理情報として必要十分と考えてよいのか?という踏み込んだ視座も求められている.
 本ワークショップでは,医療Dx推進のベクトルについて厚労省の立場から基調講演的な説明をいただき,それを踏まえて医療の現場において,医師として,看護師として,そして薬剤師の立場から健康情報の標準化の位置づけ,その意義,工夫について論じ,さらにディスカッションに乗せてゆきたい.
(企画オーガナイザー:渡邉 直)