近年、デジタル化の進展に伴い、医療分野においても新たな技術の導入が進んでいる。治験においても、従来の手法に加えて、先進的な技術を取り入れることで、より効率的かつ質の高い治験を実現することができると期待されている。
本セッションでは、治験の効率化と質向上に資する革新的な取り組みについて、以下の4つの観点から紹介する。
1. 分散型臨床試験(Decentralized Clinical Trials: DCT) 従来の中央集権型の治験実施体制に加え、被験者の自宅等でデータ収集が可能なDCTsの概念と最新動向を紹介する。被験者の利便性向上と治験実施の効率化が期待できる。
2. リモートSDV(Remote Source Data Verification: rSDV) オンサイトでの現地確認に代えて、電子的に原資料を確認するrSDVについて、その手法と有効性を紹介する。コスト削減と業務効率化が見込まれる。
3. 直接デジタルデータ収集(Direct Data Capture) eCRFへの二重入力を排除し、被験者や検査機器から直接データを収集する手法について、その利点と課題を説明する。データ品質の向上が期待できる。
4. 生成AIの活用 最新の生成AIを活用した、プロトコル作成支援や治験資料作成の自動化など、将来の可能性について展望します。AIによる高度な支援で治験業務の効率化が期待される。
本セッションでは、上記の先進的な取り組みを紹介するとともに、その導入における課題や展望について議論する。デジタルテクノロジーの積極的な活用により、被験者中心の質の高い治験を効率的に実施することが可能となる。