[4-E-4-01] 周術期等口腔機能管理を加速するための日本版FHIR標準の提案
Dental Informatics, HL7 FHIR, Standardization, Peri-operative oral management
【背景】令和6年4月時点で、主として歯科領域における厚生労働省標準として、以下の規格が認められている。(1)標準歯科病名マスター、(2)標準歯式コード仕様、(3)口腔診査情報標準コード仕様。また、診療報酬請求を電子的に実施するための歯科診療行為のマスターも、標準に準じて情報交換に用いられている。これらは、歯および口腔内所見の一時点における表現や、診療報酬を目的として規格化された経緯から、医療機関等をまたぐ情報連携を目的とした情報交換には必ずしも十分な表現力、粒度とは言えなかった。一方で、ヒトの健康寿命延伸や、周術期における歯科介入が治療予後の改善に寄与するなど、医科疾患の治療において歯科の果たす役割が注目されるようになった。そのため、医科歯科連携の必要性が認知され、拡大の転機を見せていることから、改めて医科歯科連携や歯科歯科連携に応用できる歯科診療情報を含む医療情報の標準化が求められていると考えられる。【方法】現在、医療情報の交換をオープンなWeb標準技術を用いて実装するHL7 FHIR規格がHL7 Internationalにより策定され、各国で実装の検討が進んでいる。周術期等口腔機能管理にかかる情報をHL7FHIR形式で交換することを前提として、本邦で行われている周術期等の診療情報連携の実態を調査し、標準化に必要な情報の整理することとした。【結果・考察】周術期等口腔機能管理にかかる様式および、国内の医療機関において公表している様式を収集し、情報交換が必要な項目を検討し、エキスパートとして2名の臨床家との意見交換を行い、標準化に含めるべき内容および項目の規格化を行なった。【結論】既存の厚生労働省標準をコードセットとして利用しつつ、周術期等口腔機能管理に必要な文書をFHIRに準拠した形で構造を検討することで、実装に向けた提案ができた。
