Japan Association for Medical Informatics

[4-E-4-02] 歯科・口腔領域の日本版FHIR実装仕様の検討経緯とその現状

*Keishi Kariya1 (1. Fujita Health University Hospital)

Dentistry, Dental Informatics, HL7 FHIR, Standardization

これまで診療情報の相互互換性、相互運用性を求めるための活動は多く行われてきた。近年政府を中心として、情報基盤構築などがあり、その速度は加速度を増してきた。歯科領域においても同様に多くの関係者の尽力で標準規格の策定や、普及に努めてきたが、歯科領域の情報システムにおけるその実装は、標準化の努力に比して、決して芳しいものではなかったように思われる。そこで、今日の行政の施策を追い風として、歯科・口腔領域について、HL7 FHIR規格に基づく標準化を行い、相互運用性を高めるため、活動を行うこととなった。 筆者は日本医療情報学会NeXEHRS課題研究会FHIR日本実装検討WGのうち、診療・検査部会に参加し、歯科・口腔領域の分科会を設けた。分科会には、歯科医師、歯科ベンダ、部会の協力メンバーが参加した。当初自身の知識・経験不足のみならず、分科会参加者間でも歯科・口腔領域の共通認識を得ることが困難ではあったが、厚生労働省標準規格『口腔診査情報標準コード仕様』、日本歯科歯科医師会の『口腔診査情報CSV形式データからHL7への変換仕様』をベースとし、そのうえで日本版FHIR標準とするべく検討されてきた経緯と現状をここに示す。 なお、筆者は歯科医師でも、研究者でも、歯科ベンダの者でもない、医療情報システムを導入・運営・保守を行う実務担当者である。歯科臨床、FHIRに関して十分な知識を有する分科会メンバーと共に作業を行なうことで、検討を進めている。本演題では、FHIR規格の技術的な観点からの詳細よりも、いかに歯科臨床へ応用するかという観点で、参加される皆さんのご意見・ご批判等を仰ぎ、標準化が少しでも進むきっかけになることを望む。