[4-F-2-04] 医療ビッグデータの実践的利活用を意識した医療需要の推計手法
Medical big data, National Database, Healthcare management
【目的】近年、わが国では医療ビッグデータの提供体制の整備が進み、その利活用は臨床医学だけでなく、社会医学領域においても大きな期待が寄せられている。本研究では、医療ビッグデータを用いた入院医療と急性期医療の需要推計の手法について、広島二次保健医療圏(以下、広島圏域)を例に示し、分析データの利活用について考察した。
【方法】National Database、および患者推計等を用いて、広島圏域における入院医療(肺炎や心不全、悪性腫瘍など)、急性期医療(悪性腫瘍に対する手術など)について、性・年齢階級別の発生件数を算出し、2020年から2050年までの各疾患・各治療別の将来需要を推計した。
【結果】広島圏域では後期高齢者人口、特に85歳以上の著しい人口増加に伴い、後期高齢者において罹患率が高い肺炎や心不全などの入院需要、および受療率が高い経カテーテル大動脈弁留置術や大腿骨骨折手術の治療件数の増加が見込まれる。一方で、虚血性心疾患に対するカテーテル治療や悪性腫瘍に対する手術といった急性期医療の需要増加は、入院需要に比して限定的であった。
【考察・結論】広島圏域では後期高齢者の増加による医療需要の変化に効率的に対応し得る医療提供体制の構築が課題であると考えられた。また本研究に示すような分析データは、高額医療機器の新規・追加導入の検討の際などにも活用できるだろう。医療機能や診療密度により分類された情報粒度の高い需要推計は、地域の医療提供体制の検討だけでなく、医療機関がデータ駆動型経営を推進する上でも重要であると考えられた。
【倫理的配慮】倫理審査委員会の承認を要する内容ではなく、また開示すべき利益相反状態はない。
【方法】National Database、および患者推計等を用いて、広島圏域における入院医療(肺炎や心不全、悪性腫瘍など)、急性期医療(悪性腫瘍に対する手術など)について、性・年齢階級別の発生件数を算出し、2020年から2050年までの各疾患・各治療別の将来需要を推計した。
【結果】広島圏域では後期高齢者人口、特に85歳以上の著しい人口増加に伴い、後期高齢者において罹患率が高い肺炎や心不全などの入院需要、および受療率が高い経カテーテル大動脈弁留置術や大腿骨骨折手術の治療件数の増加が見込まれる。一方で、虚血性心疾患に対するカテーテル治療や悪性腫瘍に対する手術といった急性期医療の需要増加は、入院需要に比して限定的であった。
【考察・結論】広島圏域では後期高齢者の増加による医療需要の変化に効率的に対応し得る医療提供体制の構築が課題であると考えられた。また本研究に示すような分析データは、高額医療機器の新規・追加導入の検討の際などにも活用できるだろう。医療機能や診療密度により分類された情報粒度の高い需要推計は、地域の医療提供体制の検討だけでなく、医療機関がデータ駆動型経営を推進する上でも重要であると考えられた。
【倫理的配慮】倫理審査委員会の承認を要する内容ではなく、また開示すべき利益相反状態はない。
