Japan Association for Medical Informatics

[4-F-3-05] 市町の地域行政からみたPHRサービスに関する意識調査

*Tatsunori Shimakawa1 (1. 県立広島大学 地域基盤研究機構)

Personal Health Record, Business Continuity, Cognition, Constellation, Local Government

【目的】健康寿命の延伸や労働生産性を向上させるための施策として、PHR(personal health record)の活用が期待されている。先行調査により、都道府県の行政は、PHRの利用について市町村のニーズを把握していないといった課題が見えてきた。
 県単位でPHRサービスを導入している市町のPHRサービスに対する理解と課題を調査することで、県と市町における役割を考察する。
【方法】県単位のPHRサービスを導入している県内の30市町の健康医療関連部署を対象とし、2024年6月10日から2024年6月26日までの間にWebフォームにてアンケートを実施した。
【結果】15の健康関連部署から回答を得た。県が導入しているPHRサービスを「かなり知っている」が2件、「少し知っている」が13件であった。PHRサービスの機能の把握について、「かなりしている」が2件、「少ししている」が11件、「ほとんどしていない」が2件であった。PHRサービス普及のための協力について、「かなりしている」が5件、「少ししている」が8件、「ほとんどしていない」が2件であった。行政が推進するPHRサービスの課題について、「事業継続のための予算確保が困難」が13件、「利用者(地域住民)や家族への認知・理解が不足」が11件であった。
【考察】県単位で導入したPHRサービスに対して市町村は、理解や協力が遅れていることが示唆された。また、今後、地域住民への理解をどのように得るのか、国が仕組みを整理することだけでなく、地方公共団体内での役割分担の明確化が必要になる。
【倫理的配慮】本研究参加について、自由意志で拒否による不利益はないことを説明し、任意回答とした。