Japan Association for Medical Informatics

[4-F-5-05] 感染症届出個票のHL7 FHIR記述仕様の検討及び感染症サーベイランスシステムへの届け出のあり方に関する研究

*Shunsuke Doi1, Kotoko Nogawa1, Yasuko Akutsu1, Saori Mimura1, Michito Kimura1, Yoshimasa Kawazoe2, Kazuhiko Ohe3 (1. 千葉大学医学部附属病院, 2. 東京大学医学部附属病院, 3. 東京大学大学院 医学系研究科)

HL7 FHIR, Infectious disease, Standardization

感染症届出個票や定点把握にて発生動向を把握している感染症のデータ収集においては、届出票の作成時における入力の手間の多さや煩雑さが課題となっており、標準的かつ効率的な収集手法の確立が求められている。本研究班では、既存システムの構成に依存しない標準的な手法により感染症データを収集することを目的として、新たな医療情報交換の標準規格であるHL7 FHIRを感染症届けに適用することを目指し、その仕様策定とプロトタイプシステムを開発した。方法として、過去の厚生労働科学研究を参考に、第1~5類の計87感染症に対して、国立国際医療研究センターで開発されているHL7 FHIR記述仕様である「JASPEHR」の実装ガイドに則り仕様を作成した。次に、電子カルテシステム上及びWebブラウザ上で、Questionnaireリソースを読み込むことでテンプレートを生成できるシステムを実装し、感染症届け(個票)報告システムとして実装した。結果として、それぞれのシステムに実装したテンプレートを利用して感染症届けの個票の入力ができ、結果をHL7 FHIR形式で出力できることを確認した。考察として、本研究ではQuestionnaireリソースを利用することでシステムに依存せず、個票の入力を行い同じ結果ファイルを得ることができるプロトタイプシステムを開発したが、今後の感染症報告においても同様の仕組みを導入することが望ましいと考えられる。既存の感染症の報告内容の修正や、新たな感染症の発生に備え、例えば我が国で今後さらに普及が見込まれるオンライン資格確認等システムを基盤として、感染症サーベイランスシステム側からHL7 FHIRの仕様であるQuestionnaireインスタンスを各システムに配布できる仕組みを実装することができれば、我が国の感染症サーベイランスが飛躍的に効率化されることに期待できる。