[4-G-3-01] 指定難病患者データベースおよび小児慢性特定疾病児童等データベース等の利活用推進研究
designated intractable diseases, specific pediatric chronic diseases, patient database
【背景・目的】指定難病患者データベース(難病DB、341疾患)と小児慢性特定疾病児童等データベース(小慢DB、788疾患)のデータ登録は平成29年度より開始され、令和2年度にデータ提供がスタートした。難病関連DBは、他DB等と連携して解析をすることで疾病研究や政策立案が期待されており、運営機関では将来の更なる利活用促進を目指し検討を進めている。令和4年度法改正において、難病/小慢DBでは移行期医療支援等のため患者データを連結する方針が決まった。本研究では難病/小慢DBの利活用促進、ならびにデータベース連結を推進するための検討を行ったので報告する。【方法・結果】難病/小慢DBのデータ連結効果を検討した。具体的には、難病DB 232疾病と小慢DB 410疾病を連結し、それぞれの入力データである、臨床調査個人票および医療意見書のデータ項目の対比リスト作成と分析を行った。例としてIg A腎症では、全連結データ項目51件のうち、項目名の完全一致は11件、部分一致(50%以上)は14件にとどまった。例えば難病の「1日蛋白量」項目は小児では「尿中蛋白量」項目に対応し、単位も[g/日]と[mg/dℓ]だった。また疾患群毎に比較したところ、データ項目の一致度が異なることが分かった。疾患群内でのばらつきはあるが、血液系疾患患群では一致度が高く中央値が60%を超えるが、代謝疾患群の中央値は30%程度であった。【考察・結論】難病/小慢DBでの有効な連結解析のためには、両DBの特性に応じた項目名・単位等があるものの、対応するデータ項目の表記・様式等の一致度を高めていくことが重要であると考えられる。これにより難病/小慢DBの利活用が進み、現在問題となっている移行期医療の政策決定に必要な情報を取得できると考えられる。【倫理的配慮】該当なし【謝辞】本研究は厚生労働科学研究費・難治性疾患政策研究事業課題番号21FC1018の支援を受けて行われた。
