[4-G-3-04] 医療データの施設外利用を目的とした阪大データバンク事業のAI研究開発に向けた可能性
Databank Project, Real World Data, Cancer Registry
【目的】当院では、2010年にペーパレス電子カルテとなり、データを後利用が可能な形で蓄積している。今では院内の抽出依頼は、年間1000件超えの利用がある。また、2022年より施設外の企業・研究機関がデータ活用するために阪大データバンク事業を開始した。阪大データバンク事業では、事前に同意を得た患者の診療情報を匿名化し、情報活用審査委員会の審議を経て、施設外の事業者と契約をした上でデータを提供する。昨今、診療情報と画像情報を組み合わせたAIプログラムが研究開発されている。そのプログラムをリアルワールドデータに適用させ、その精度を確認するために診療情報を求める需要があり、本事業はそれにマッチしている。そこで、阪大データバンク事業における診療情報の概要をまとめたので報告する。
【方法】本事業による診療情報提供を同意した対象患者ついてデータウェアハウス(DWH)を用いて集計を行った。
【結果】2024年6月現在、15,300名の患者が同意をしており、男性8,722名、女性6,578名である。また、対象患者の内、がん患者は、6,028名であった。その内、消化器系のがんは、1,986名でありその内訳は、食道がん599名、胃がん872名、大腸がん614名であった。消化器系のがん患者のうち、腹部CTおよびMRIの撮影患者が1,798名であった。CT・MRIの撮影者はすべて読影所見があり、DICOM画像データの取得ができる。
がん情報は、院内がん登録のためにデータ整理されており病期分類(T,N,M)やステージ情報、診断日、病理の組織コードなどを収集し患者を分類できる。食道がんでは、Stage0期、1期の早期がん患者199名の内、内視鏡画像を持つ患者が170名、胸部CT画像を持つ患者が168名であった。また、食道がんの治療内容別に患者を集計すると、手術治療486名、内視鏡治療98名、抗がん剤治療424名、放射線治療189名であった。
【考察・結論】本事業では、このように多種の診療情報を収集できる。これまで2例のデータ提供へ相談事例の実績があった。今後、様々な研究開発に活用されることを期待したい。
【倫理的配慮】本研究は、大阪大学医学部附属病院 観察研究倫理審査委員会で承認を受け実施している(2020年8月31日承認)。
【方法】本事業による診療情報提供を同意した対象患者ついてデータウェアハウス(DWH)を用いて集計を行った。
【結果】2024年6月現在、15,300名の患者が同意をしており、男性8,722名、女性6,578名である。また、対象患者の内、がん患者は、6,028名であった。その内、消化器系のがんは、1,986名でありその内訳は、食道がん599名、胃がん872名、大腸がん614名であった。消化器系のがん患者のうち、腹部CTおよびMRIの撮影患者が1,798名であった。CT・MRIの撮影者はすべて読影所見があり、DICOM画像データの取得ができる。
がん情報は、院内がん登録のためにデータ整理されており病期分類(T,N,M)やステージ情報、診断日、病理の組織コードなどを収集し患者を分類できる。食道がんでは、Stage0期、1期の早期がん患者199名の内、内視鏡画像を持つ患者が170名、胸部CT画像を持つ患者が168名であった。また、食道がんの治療内容別に患者を集計すると、手術治療486名、内視鏡治療98名、抗がん剤治療424名、放射線治療189名であった。
【考察・結論】本事業では、このように多種の診療情報を収集できる。これまで2例のデータ提供へ相談事例の実績があった。今後、様々な研究開発に活用されることを期待したい。
【倫理的配慮】本研究は、大阪大学医学部附属病院 観察研究倫理審査委員会で承認を受け実施している(2020年8月31日承認)。
