Japan Association for Medical Informatics

[4-G-5-01] 医学・医療用語を変換エンジンに組み込んだオープンソース日本語入力システムの開発

*Masamichi Goudge1, Shinji Kobayashi2, Masahito Omote3, Masafumi Okada4, Eizen Kimura5 (1. MATANUKI, 2. 岐阜大学, 3. 北見赤十字病院, 4. 東京大学医学部附属病院 企画情報運営部, 5. 愛媛大学医学部医療情報学講座)

medical terminology, Japanese input method, Open Source Software, Morphological analysis

【背景】 電子カルテの普及に伴い、効率的な日本語入力システム(IM)の重要性が増している。現在使用されているIMには、更新頻度の低さや高額なライセンス料などの課題がある。
【目的】 医学・医療用語に特化した、オープンソースで低コストな日本語入力システムを開発し、その有効性を評価する。
【方法】 Googleが開発したオープンソースの日本語入力システムMozcをベースに、約4万語の医学・医療用語を組み込んだ派生版を開発した。同時に、医学・医療用語の形態素解析辞書も作成した。αテストを実施し、システムの性能と使用感を評価した。
【結果】 開発したシステムは、従来のIMと比較して医学・医療用語の変換精度が向上した。αテストでは、ユーザーから操作性と変換精度に関して肯定的なフィードバックを得た。また、形態素解析辞書の精度も従来のものより向上していることが確認された。
【考察】本システムは、医療現場における日本語入力の効率化と精度向上に貢献する可能性がある。オープンソース化により、低コストでの導入と迅速な更新が可能となる。今後は、パッケージマネージャーを通じたオンライン配布・更新システムの構築や、他の日本語入力システムへの応用を検討している。
【結論】 開発したオープンソースの医学・医療用語特化型日本語入力システムは、従来の課題を解決し、医療現場のニーズに応える可能性がある。今後は、継続的な改良と開発体制の構築が必要である。