[4-G-5-03] 医療機器が使用する無線LAN規格 - Webを用いた簡易調査 -
Wireless LAN, Medical Devices, Standard, Connectivity
日本の病院における無線LANの普及率は90%を超えた。病院における無線LANの用途は、これまで主に病院情報システムのサーバと端末をつなぐためであったが、音声通信にも無線LANを利用するケースが増えつつある。また、無線通信機能が搭載された医療機器が普及しつつある。現時点では主にアラームの発生を知らせる目的での使用が多いが、今後は機器の動作状態モニタリングや、機器設定の送信における利用も進むと考えられる。これらのことは、今後に潜在的な問題を生じる要因となり得る。無線LANに関する問題は既に発生しており、その多くの要因は病院建物の設計および建築施工、ネットワークの設計および運用にそれぞれ存在する。それぞれに対して予防策及び対策を講じる必要がある。これとは別に、医療機器が持つ無線通信機能が用いる規格は統一されていないのみならず、一度購入した医療機器は長期にわたって使用する可能性が高い。各種承認に要する期間を考慮すると、発売開始直後の機器であっても、使用する無線LANは最新規格ではない可能性がある。このことは無線LAN全体の通信速度に影響をもたらす。ここでは、医療機器が用いる無線LAN規格に着目し、ネットワーク管理の観点から、医療機器が用いる無線LAN規格名についてWebのみを用いて得られるか否かを調べた。その結果、調査対象となった8機種のポンプおよび3種の可搬型放射線撮影装置のうち規格名を得られたのは2機種にとどまった。追加調査として、海外で販売されている12機種についても調査したが、規格名が把握できたのは4機種であった。医療機器は、購入部署が使用を策定することが多いが、ネットワーク管理部署との連携を取り、ネットワーク全体としてよりよい環境で使用できるよう努めることが必要である。
