[4-G-5-04] 電子カルテネットワークと外部システム間ファイル転送システムの運用
File Transfer, Network, Hospital Information System
【目的】一般的にHISネットワーク(以下、HIS)は大学内研究用ネットワーク(以下、学内LAN)をはじめとする外部ネットワークから切り離され、HIS内外のファイルのやり取りは基本的に禁止されている。しかし、さまざまな用途でファイルの出し入れが必要となるケースも多く、他施設の状況を聞くと、専用USBメモリなどで限定的な出し入れを許容しているケースが多い。本院では、専用のファイル転送システムを構築し、学内LANとHIS間でファイル転送を可能にしている。本発表では、ファイル転送システムを用いた経験および稼働状況を報告する。【方法】ファイル転送用Webサーバを構築し、サーバ上で転送システムを稼働させている。このサーバは、学内LAN側に配置され、HISとの限定的な接続を許可することでファイル転送を可能とする。これにより、ファイル転送の経路を一元化し、かつファイル転送のログを正確に把握することが可能となる。【結果】2024年1月から6月まで、全体で27,806件のファイル転送が行われ、うち学内LANからHISへの転送は8,096件、HISから学内LANへの転送は10,875件であった。ファイル形式のおおまかな内訳としては、Word、Excelなどの文書ファイル23,981件、画像ファイル2,405件、その他1,420件であった。【考察】USBメモリによるファイル転送に比べ、個人レベルでの転送状況の詳細な把握が可能となっている。現在、各ファイルの中身までは把握できていないので、ファイルの中身はファイル名から推測する程度しかできない。今後は中身を精査し、個人情報等の漏洩につながるファイル転送には制限を加えていく予定である。【論理的配慮】本研究で得られた内容は実運用の中で得られた集計結果であり、個人が特定されるような情報が研究担当者以外に知られることないように厳重に管理する。
