Japan Association for Medical Informatics

[4-G-5-06] ベンダ依頼不可能な状況下でのVMware仮想化基盤からNutanix仮想化基盤への仮想マシンの自力移行

*Yosuke Kadota1,2, Yoshihisa Sugimoto1,2, Tomohiro Ueda2, Nana Funatomi2, Takayuki Enoue3, Yoshihiko Mizuta3, Ryou Jitou3, Shogo Itou3, Satoki Kamada3, Takashi Ashihara1,2 (1. 滋賀医科大学 情報総合センター, 2. 滋賀医科大学医学部附属病院, 3. 滋賀医科大学クオリティマネジメント課医療情報係)

Virtual infrastructure, Virtual Machine, VMware, Nutanix, Transition

【背景】当院の病院情報システムでは2015年にVMware仮想化基盤(旧基盤)を導入し、2021年にはNutanix仮想化基盤(新基盤)へ移行したが、一部の仮想サーバが旧基盤に残されたまま並行稼働の状態となっていた。2023年に旧基盤の老朽化による故障が発生しサービス継続に懸念が生じたが、諸事情により、ベンダに新基盤への移行を依頼することができなかった。一般にベンダにV2V移行を依頼した場合、仮想サーバすべてのデータのコピーが完了するまで、OSをシャットダウンする必要があり、ダウンタイムが長く発生することが問題となり、また、本ケースのようなベンダのサポートがない場合、移行後に正常稼働するかどうか保証が得られないことが問題だった。【目的】サービスのダウンタイム最小化を意識したVMware基盤からNutanix基盤への仮想サーバ自力移行手順を確立する。【方法】VMwareの仮想化ソフトウェアvSphereの操作画面より作成した仮想サーバのクローンからエクスポートにより、OVF形式のイメージファイルを取得した。それをNutanixの仮想化ソフトウェアPrismの操作画面よりインポートし、仮想サーバテンプレートとして登録後、デプロイ操作を行った。【結果】ベンダの協力が得られなかった状況で、VMware基盤の仮想サーバをNutanix基盤に移行し、稼働させることができた。移行後の仮想サーバに不具合は発生していない。【考察】今回我々がクローンを作成する手順を考案したことにより、仮想サーバの移行にかかるダウンタイムは発生しなかった。また、新基盤にデプロイした仮想サーバの稼働テストを旧基盤の仮想サーバが稼働したまま行えたことにより、ダウンタイムなしで新基盤上での正常稼働を確認することもできた。稼働切り替えの直前にデータベースの差分だけを移行処理することで、ダウンタイムの発生を最小限にすることができた。【倫理的配慮】患者情報の漏えいリスクを最小限にするため、閉域網の院内LAN上ですべての作業を行った。