[4-H-1-02] 医療デジタルツインの構築を目指す先進的医療情報システム基盤の開発
Digital Twins, Medical Information Infrastructure, Healthcare Data Ecosystem, HL7 FHIR
異なる医療機関の医療情報の統合利活用が困難である現状を脱却し、データにもとづいて医療を把握し、知識を発見し、意思決定を的確に支援するためには、診療の場で発生する多種の医療情報をリアルタイムで活用できる新たな医療情報基盤を構築し、それを活用する実用型AI技術開発を進め、その成果を医療、企業、社会に還元する医療のデータエコシステムを確立する必要がある。内閣府が進める戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期課題「統合型ヘルスケアシステムの構築(代表:永井良三 自治大学学長)」では、医療デジタルツインの実装とその利活用を通して、このような医療のデータエコシステムの確立を目指している。本課題のサブテーマD-1「医療機関・ベンダー・システムの垣根を超えた医療データ基盤構築による組織横断的な医療情報収集の実現」においては、15の医療機関をフィールドとして、医療機関内の多部門からの多種多様な医療データ(電子カルテ情報、部門レポート情報、患者が記録する生活圏健康情報)を収集し、これらデータを国際的な医療情報の標準規格であるHL7 FHIRに準拠した標準化データとする。特に、各種部門ベンダから発生するレポート情報の標準化実装は遅れているため、これらレポートをFHIRドキュメントとする仕組みは重要となる。本講演では、各種FHIRデータを医療機関内で生成統合し、匿名化事業者を介して外部に構築されるデジタルツインにデータを投入する医療情報基盤の開発をはじめとするサブテーマD1の取り組みについて紹介する。
