[4-H-2-03] 口腔衛生学から考えるSDH:デジタル時代の統合的アプローチ
世界保健機関(WHO)の2022年Global Oral Health Status ReportおよびGlobal Burden of Disease 2019によると、口腔疾患は全世界で約35億人に影響を与えている。中でも最も多い永久歯の未処置むし歯は、日本でも約4000万人が罹患していると推測される。むし歯以外にも、歯周病と糖尿病の双方向の関連、歯周病が心血管疾患に与える影響、咀嚼能力と栄養摂取との関連など、口腔の健康と全身の健康の密接な関連はこれまでに数多く報告されている。
口腔疾患は砂糖摂取、喫煙、アルコール摂取、不衛生など、多くの非感染性疾患と共通のリスクファクターを持つ。さらに、社会経済的地位、教育レベル、居住環境、職業などの健康の社会的決定要因(SDH)が健康にもたらす影響はまず口腔疾患として現れやすく、口腔の健康格差を生み出していることが示唆されている。しかし、口腔疾患の健康政策や医療システムにおける優先度は高くない。
そこで、WHOは包括的な健康増進戦略の一つとして、Common Risk Factor Approachを提唱している。これは口腔疾患を含む複数の疾患や健康問題に共通するリスク要因に焦点を当てた分野横断的な予防戦略である。また、口腔領域では咀嚼・栄養管理アプリや咀嚼情報取得デバイスなどのデジタルツールが実用化されており、分野横断型の介入も一部で行われている。
本発表では、Common Risk Factor Approachの考え方を応用し、口腔衛生学の観点から、SDHを考慮したデジタルヘルスの統合的アプローチの可能性と課題を探る。特に、口腔健康データの収集・分析、遠隔診療、AIを用いた診断支援など、デジタル技術の活用による口腔衛生の向上と健康格差の是正の可能性について議論したい。
口腔疾患は砂糖摂取、喫煙、アルコール摂取、不衛生など、多くの非感染性疾患と共通のリスクファクターを持つ。さらに、社会経済的地位、教育レベル、居住環境、職業などの健康の社会的決定要因(SDH)が健康にもたらす影響はまず口腔疾患として現れやすく、口腔の健康格差を生み出していることが示唆されている。しかし、口腔疾患の健康政策や医療システムにおける優先度は高くない。
そこで、WHOは包括的な健康増進戦略の一つとして、Common Risk Factor Approachを提唱している。これは口腔疾患を含む複数の疾患や健康問題に共通するリスク要因に焦点を当てた分野横断的な予防戦略である。また、口腔領域では咀嚼・栄養管理アプリや咀嚼情報取得デバイスなどのデジタルツールが実用化されており、分野横断型の介入も一部で行われている。
本発表では、Common Risk Factor Approachの考え方を応用し、口腔衛生学の観点から、SDHを考慮したデジタルヘルスの統合的アプローチの可能性と課題を探る。特に、口腔健康データの収集・分析、遠隔診療、AIを用いた診断支援など、デジタル技術の活用による口腔衛生の向上と健康格差の是正の可能性について議論したい。
