一般社団法人 日本医療情報学会

[4-H-2-05] 健康アドバイスアプリにおける個別最適化の工夫

*佐々木 由樹1 (1. 株式会社Wellmira)

株式会社Wellmiraは、AI健康アプリ「カロママ プラス」開発・運用している。利用者が食事、運動、睡眠、気分、体重等の情報を入力すると、AIコーチが瞬時に自動でアドバイスするアプリである。アドバイスパターンは、利用者の目標や状態に合わせて、2億通り以上を用意している。
 このアプリの利用有無で、3か月間のランダム化比較試験を行った結果、両群間には−1.60 kg(95%信頼区間-2.83~−0.38 kg、p=0.011)の有意な群間差が見られ、減量への有効性が認められた(Nutrients 2022)。
 食事の記録には、食事画像解析AI技術を使用している。画像解析による栄養素の推定量の妥当性検討では、実測したデータ(正解データ)と比べた際の栄養素含量の推定誤差は、AIのみで測定した自動推定データで-25~+4%、AIに加え人間が修正を加えた手動修正データで-11~+13%と、自動推定データ・手動修正データともに正解データに近い値が得られている(JMIR Formative Research 2022)。
 今後は、より個別最適化させるために、利用者の性格や生活リズムに合わせた働きかけを、アプリ内で行う予定である。その一例として、アプリのPush通知を、利用者のそのときの動作状態(静止、歩行、自動車移動など)や、本人の性格の分類に合わせて文言を出し分けることにより、アプリの起動率が向上することを確認した(情報処理学会にて発表、2022年)。さらに、生成AIを活用し、より本人の嗜好に合わせた生活提案を行っていく予定である。