Japan Association for Medical Informatics

[4-I-2-01] 相互運用性簡易構築システムを用いた循環動態リアルタイム解析への応用

*Shun Ishigaki1, Shiho Suzuki1, Keita Saku2, Toshikatsu Washio3, Yoshiaki Yamagishi4, Masuo Kondoh5, Tatsuhiko Arafune1 (1. 東京電機大学大学院理工学研究科, 2. 国立循環器病研究センター, 3. 産業技術総合研究所, 4. 大阪大学医学部付属病院, 5. 大阪大学大学院薬学研究科)

Interoperability, Data Integration, Optical Character Recognition

【目的】既存の医療機器を改良・改造することなく外付けで複数医療機器に表示される数値の抽出を行い、医療機器相互運用性を簡便に確立するシステム開発を目的とした。
【方法】本システムは複数のビデオカメラとカメラが接続されたPC上で操作するソフトウエアから構成される。医療機器のモニタ画面を撮影したカメラ映像に対し、数値が表示される領域を指定してOCR機能で数値を読み取る。OCRは独自に作成した機械学習モデルにより数値判別を行い読み取った値は時系列データとして保存する。表示切り替えに伴う瞬間的なフォントの重なりも画像として学習させることで誤認識をより低減するよう機械学習モデルを調整し99.9%の認識精度を確認した。開発した本システムを用いた相互運用性確立の応用として、国立循環器病研究センターが開発したWebアプリケーション型の循環動態シミュレータソフトSimArthurと連携する実験を行った。動物実験において被験動物に接続されたバイタルモニタの出力数値をリアルタイムに読み取り、SimArthur上の各パラメータへ入力する。心拍数、平均血圧、平均肺動脈圧、平均左房圧、平均右房圧、左室心拍出量の6種類のバイタル情報をパラメータとして読み取り同時にネットワーク経由で更新することでリアルタイムに循環動態の解析を行い、その更新頻度や認識精度についての検証を行った。
【結果】1パラメータ更新頻度は0.79秒に一度、6パラメータ同時更新頻度は3.48秒に一度であり、認識精度は99.8%であった。
【考察・結論】医療現場の複数の医療機器から計測されるバイタル情報を自動で統合し、PVループなどの循環動態解析をリアルタイムに処理可能であることが示唆された。
【倫理的配慮】本研究における動物実験は国立循環器病研究センターの倫理委員会の承認のもとで実施された。