Japan Association for Medical Informatics

[4-I-2-03] 食事トレイ自動撮影装置を用いた病院流動食におけるAI残量推定の精度検証

*Ruiqing Liu1, Masato Tagi2, Yoshiko Suzuki3, Xiao Shan3, Yasuhiro Hamada2, Kazumi Ozaki2, Hiroshi Sakaue2,3, Masanori Kubota4, Sosuke Amano4, Takeshi Konishi2, Jun Hirose2 (1. 徳島大学 大学院医学研究科, 2. 徳島大学 大学院医歯薬学研究部, 3. 徳島大学病院, 4. foo.log株式会社)

food intake, liquid food, artificial intelligence, accuracy verification

入院患者にとって栄養管理は重要な課題であり,十分な栄養を確保するため,食事摂取量の測定が必要である.食事前後の重量を測定する秤量法は正確であるが手間がかかるため,臨床現場では目測法が普及している.しかし正確性に課題があるため,その解決方法として,我々はこれまでに,病院流動食の食後の写真から残量を推定するAIモデルを開発し,タブレットを活用して手動で撮影した料理画像の推定が実用的精度であることを示した.しかし,臨床現場では利便性も重要視され,タブレット操作の煩雑さを改善するために,食後の料理撮影と写真アップロードを自動化できる食事トレイ自動撮影装置を開発した.本研究では,その測定精度を検証した.
2024年2月8日から2024年3月29日までの51日間において,重湯69食,スープ69食,果汁類36食の合計174食を対象とし,食事残量を0から10の11段階で分類した.測定方法は,秤量法,目測法,タブレット端末撮影による手動AI測定(AI手動),食事トレイ自動撮影装置によるAI測定(AI自動)の4種で,秤量法を基準として,目測法,AI手動,AI自動の測定精度を評価した.
AI自動の平均絶対誤差は1.72で,AI手動の0.80より値は大きいが統計学的有意差はなかった,目測法の0.18に対しては,両者とも有意に大きかった.AI自動の二乗平均平方根誤差は2.99で,AI手動の1.65と目測法の0.56よりも大きかった.
本研究では,AI自動の測定精度はAI手動と比較して低い傾向がみられたが,AIモデルの学習データにタブレット端末で撮影した料理画像を利用したことが要因と考えられる.今後はAI自動の測定精度を目測法と同等以上に向上させることを理想とし,AIモデルの学習データに食事トレイ自動撮影装置で撮影した画像を追加したAIの精度検証を計画している.