[4-I-2-05] 脳卒中急性期診療のチーム医療の遂行をICTで支援する取り組み
Acute stroke care, ICT, Team
【背景】脳梗塞治療には多くの診療タスクがありそれらを迅速に処理するためにはチーム医療が必須となる。我々は、それらのチーム医療の遂行をICT(情報通信技術)でサポートするためにTask Calc. Stroke (タスカル)というシステムを開発してきた。
【目的】タスカルを実際の脳梗塞急性期医療に導入する方法、導入の影響を評価するための研究の進捗状況を報告する。
【方法】タスカルは、診療チーム内で、診療業務の進捗を、一画面上でリアルタイムに共有しながら業務処理の効率化を目指すチームングツールである。タスカルを臨床現場に導入する影響を評価するための第1次観察研究として2018年から2020年にかけて4つの脳卒中センターで施行し、2021年から27の脳卒中センターで第2次観察試験を施行した。期間中に同施設で脳梗塞に対する再灌流療法(静注血栓溶解療法および機械的血栓回収療法)を施行された症例を対象に、患者が来院してから各種治療を受けるまでの時間および退院時転帰に関してはModified Rankin Score (mRS) という機能評価法を用いて、タスカル導入前、タスカル使用のための準備期、導入後の3期間で比較した。
【結果】第1次観察研究では再灌流療法を受けた316 名 (導入前 154 例、準備期 78 例、導入後 84例) が, 研究対象となった。静注血栓溶解療法に関しては、タスカル導入のための準備期から、病院到着から治療開始までの時間は、有意に短縮され、導入後さらに短縮した (導入前 58.0 分、 準備期 54.6 分、導入後 47.8 分、P<0.001) 。機械的血栓回収療法に関しては、タスカル導入後に有意に短縮された (導入前93.8 分、導入後 88.5 分、P=0.004) 。さらにmRSも、タスカル導入後にて有意に (P=0.003) 改善していた。 第2次観察研究は、観察研究期間は終了し、現在情報収集中である。
【結語】タスカルの導入により、脳梗塞診療の迅速化と、後遺症が軽減する可能性とが示された。今後、第2次観察研究の結果を解析し、さらにタスカルを改善し、全国の脳卒中診療のサポート体制を整備していきたい。
【目的】タスカルを実際の脳梗塞急性期医療に導入する方法、導入の影響を評価するための研究の進捗状況を報告する。
【方法】タスカルは、診療チーム内で、診療業務の進捗を、一画面上でリアルタイムに共有しながら業務処理の効率化を目指すチームングツールである。タスカルを臨床現場に導入する影響を評価するための第1次観察研究として2018年から2020年にかけて4つの脳卒中センターで施行し、2021年から27の脳卒中センターで第2次観察試験を施行した。期間中に同施設で脳梗塞に対する再灌流療法(静注血栓溶解療法および機械的血栓回収療法)を施行された症例を対象に、患者が来院してから各種治療を受けるまでの時間および退院時転帰に関してはModified Rankin Score (mRS) という機能評価法を用いて、タスカル導入前、タスカル使用のための準備期、導入後の3期間で比較した。
【結果】第1次観察研究では再灌流療法を受けた316 名 (導入前 154 例、準備期 78 例、導入後 84例) が, 研究対象となった。静注血栓溶解療法に関しては、タスカル導入のための準備期から、病院到着から治療開始までの時間は、有意に短縮され、導入後さらに短縮した (導入前 58.0 分、 準備期 54.6 分、導入後 47.8 分、P<0.001) 。機械的血栓回収療法に関しては、タスカル導入後に有意に短縮された (導入前93.8 分、導入後 88.5 分、P=0.004) 。さらにmRSも、タスカル導入後にて有意に (P=0.003) 改善していた。 第2次観察研究は、観察研究期間は終了し、現在情報収集中である。
【結語】タスカルの導入により、脳梗塞診療の迅速化と、後遺症が軽減する可能性とが示された。今後、第2次観察研究の結果を解析し、さらにタスカルを改善し、全国の脳卒中診療のサポート体制を整備していきたい。
