Japan Association for Medical Informatics

[4-J-1-02] AI音声認識システムを活用した看護アシストシステムの評価と今後の展望

*Koichi Iwase1, Tomohiro Sakamoto2, Yukio Kozuma2, Akinori Kuriyama2, Makoto Nakamura2, Masami Morizaki2, Miho Hashimoto2, Mitsuyuki Kajiwara1, Masaki Hayashi1, Kaede Yokota1, Michika Yoshii1 (1. 株式会社アドバンスト・メディア, 2. 済生会熊本病院)

AI, Medical Assistance, Voice Recognition, Nursing Support

【目的】
多種多様な看護師の業務内にて、様々な診療情報や患者の情報/状態を如何に早く把握出来るか、という課題に対し、AI音声認識システムを活用した対話形式の看護アシストシステムの開発を進めている。

【方法】
AI音声認識をオンプレ型に設置した対話型システムとなっており、現段階の機能としては、以下となる。
・各検査オーダー情報や患者情報など、重要な情報を対話形式で取得
・音声入力による「個人用」「病棟共有用」のリマインダー登録
・各検査オーダー情報の通知機能(検査開始前/変更時/毎日15時時点での残検査存在時)

【結果】
当システムを合計4病棟にて評価を実施した結果、当初は、機能の貧弱さやレスポンス面の課題が生じたが、アジャイルな開発を重ねた結果、最終的には8~9割の看護師から標準以上の評価を得られ、開発アプローチの妥当性が確認できた。
また、各病棟での16時時点での残検査数を鑑みても、「システム評価中<システム評価後<システム評価前」という結果が出ており、有用性が立証された。
ただ、課題も顕著化されており、最たる課題は「発話の柔軟性」となる。現在は、トークスクリプトから外れた場合の情報のヒット率が低く、その部分の改善は急務である。
改善のための手法として、医療業務用にFineTuningしたSLM(生成AIにおける小規模言語モデル)をオンプレ型で設置し、それを用いた解析を実施する予定である。

【考察・結論】
当システムにより、情報の把握と管理がスムーズに行え、より専門的な看護ケアに集中することができる。従って、医療安全面においても良い効果が見込まれる。
今後の活用においても、AIの学習と改善により、さらに高度な応用が可能となるだけでなく、他の医療領域への展開も視野に入れられる。

【倫理的配慮】
当演題の発表において、倫理的な配慮が必要とされる事象は発生しない。