一般社団法人 日本医療情報学会

[4-J-3-05] 東北大学病院検査システムにおける標準コードマッピングの試み

*井上 隆輔1、中村 直毅1、勝見 真琴2、藤井 進1、大田 英揮1 (1. 東北大学病院メディカルITセンター, 2. 東北大学病院検査部)

Laboratory Information System, Hospital Information System, Standard Code, JLAC10

【目的】多くの病院では、病院情報システム(HIS)上で特定の検査項目に限定して検査標準コード(JLAC10)を付与し、SS-MIX2ファイルが生成される。今後、多施設共同研究を効率的に進めるためには、データ派生元の検査システム(LIS)で標準コードがマッピングされ、全ての検査項目に対して、標準コードが付与されたSS-MIX2ファイルが作成されることが期待される。そこで、AMED中島班において構築した、HISからLISへの標準コード(JLAC10/JLAC11)が連携フォーマットに従って自動的に連携される仕組みを東北大学病院に導入し、その正常動作を確認することを目的とする。
【方法】(株)テクノラボ製LISでは、検査項目マスタの標準コード(JLAC10/JLAC11)がAMED中島班で定義した連携フォーマットに従って、検査マスタ連携データを出力するように改修する。また、HIS (富士通製HOPE EGMAIN-GX)では、出力された検査マスタ連携データを受信すると、SS-MIX2を出力する際に付与するJLAC10コードが定義されているHL7マスタに受信した標準コードを格納する。標準コードのマッピングにあたっては、PMDAの医療情報データベースMID-NETのMID-NETのマッピング表(マッピングB表)を活用して、標準コードのマッピング情報をLISに登録する。
【結果】連携テストにより、LIS・HIS間でJLAC10コードが適切に連携することを確認した。LIS側ではこれまでマスタの履歴管理をしていなかったため、MID-NETのマッピング表にある開始日を活用して、開始日を含めて追加登録した。また、LISマスタとMID-NETのマッピング表を比較し、JLAC10コードに齟齬が生じている場合、明らかな間違いでない限りは、MID-NETのマッピング表を正として登録した。また、JLAC11については、検査部の担当がマッピングできるものに限りJLAC11コードを付与した。
【考察・結論】LIS上で標準コード(JLAC10/JLAC11)がマッピングされた検査項目マスタ情報がHISに連携されることを確認した。データ発生元のLIS側で標準コードが管理されるようになり、データへの標準コードの付与が円滑に行われるようになり、多施設共同研究が促進されることが期待される。マッピングの正確性の検証に関しては、今後の課題である。
【倫理的配慮】本研究は、患者データを用いない、マスタ整備に関する研究である。