Japan Association for Medical Informatics

[4-J-4-02] 徳洲会グループの臨床研究における問診システムの活用と進捗のリアルタイム共有

*Satoshi Hariki1, Megumi Shiragami1, Naoki Akamatsu1, Atsushi Manabe1, Hideki Fukuda1, Yoshiaki Fujimura1, Noriyuki Takahashi1, Katsuhiko Ozaki1, Shinobu Mizota2, Naoto Utada2 (1. 徳洲会インフォメーションシステム株式会社, 2. 株式会社未来医療研究センター)

Electronic Patient Reported Outcome, Prospective Study, Real-time Progress Sharing System

背景・目的:
徳洲会グループ(以下 グループ)では、多施設共同でのCOVID-19に関する前向き臨床研究を実施している。従来の前向き研究では、各所に登録されたデータの集約、追跡調査のスケジュール管理、データ転記等の業務が発生するが、研究に不慣れな病院にとって前述の業務対応は大きなハードルとなる。また、本研究ではグループ内外に向けた日毎の進捗報告やデータ連携が求められたが、従来の手法では、様々な背景のある全ての研究参加病院から情報集約を日々行うことは困難であった。上記課題を解決するため、既存の問診システムを拡張し、研究参加患者に自動的に追跡調査が可能なデータ登録システム(以下、本システム)を作成・展開した。また、各関連機関には進捗のリアルタイム共有を行い、件数報告業務等の自動化を実現した。
手法:
①研究参加患者が、来院日に本システム上で問診と追跡調査用連絡先を登録する。
②本システムが、指定期間となった対象者へ追跡調査依頼を自動送信し、Web上でアンケートを収集する。
③コールセンターと本システム間で研究対象患者の進捗連携を行い、未回答患者にはコールセンターからフォローを行う。
④回答を本システムに集約し、グループ閉域網上の本研究用Webページで進捗のリアルタイム共有を行う。
結果:
本研究における収集項目等を本システムで標準的に取得・集約し、自動で追跡調査を行うことで、データ集約やデータ転記、追跡対象管理業務等への対応が不要となった。研究に不慣れな病院も17病院参加しており、症例集積に貢献頂いている。また、手法に示した進捗共有により、各病院の登録状況が自動的に可視化・共有され、研究事務局から各病院へのフォロー・病院やグループ本部等の意思決定・新規病院参加(現在51病院)など、研究の促進に向けた取組みに活用された。研究は現在も継続中であり、6ヶ月経過時点で約6,000症例を集積している。