Japan Association for Medical Informatics

[4-J-5-01] 外来診療予約システムの構築と運用

*Naoki Nakamura1, Yuki Ito1, Sachiyo Yanagibashi1, Song Chong1, Yoko Suenaga1, Hideki Ota1 (1. 東北大学病院)

Online Outpatient Appointment, Electronic Medical Records, System Integration

【背景】
近年、診療予約をオンラインで行うことができるクリニック・診療所が増える一方で、多くの病院では、電子カルテの機能的な制約や費用が障壁となり、電話やFAXを用いて診療予約の対応が行われている状況である。このような状況は、患者の利便性を損なうとともに、医療機関の業務効率を低下させる要因となっている。
【目的】
東北大学病院では、外来の新規患者を増やすとともに、地域連携部門の業務負荷軽減を目指し、外来の新規患者の予約のオンライン化を推進している。本稿では、院内の電子カルテと連携するための基盤として、Apache Camelを活用し、柔軟かつ低コストでの実現を目的としている。
【方法】
1.富士通社製電子カルテHOPE EGMAIN-GXとオンライン診療予約システムとを連携するため、Apache Camelを基盤として電子カルテベンダーフリーなデータ連携基盤を構成する。
2.個人情報を含まない診療予約枠状況を電子カルテから自動で抽出し、Apache Camelを用いてDMZ上にあるデータベース(MySQL)にデータ連携する。患者もデータ連携された情報を参照できるウェブアプリケーションとして公開する。
3.個人情報を保持するオンライン診療予約システムでは、クライアント証明書を保有している医療機関に限定して利用できるサービスとして提供する。
【結果と考察】
本システムによって、診療予約のオンライン化が実現し、医療機関からシームレスに診療予約が可能となった。また、当院の地域連携部門におけるこれまでの電話やFAXによる業務負荷が軽減された。特に、Apache Camelを用いてシステム連携を実現したことで、電子カルテベンダフリーなサービスを実現することができ、その発展性や有用性が確認された。
【結論】
診療予約のオンライン化の基盤を構築することができたが、現行のFAX申し込みによる予約業務の改善が残っている。今後は、FAXによる予約申し込みを含めたシステムの最適化や機能拡張を図っていく予定である。