Japan Association for Medical Informatics

[4-J-5-02] 患者動線を考慮した外来基本カード廃止への取り組み

*Naoko Kanesaka1, Hiromi Watanabe1, chiharu Ootuka1, Takahiro Murata1, Kei Teramoto1 (1. 鳥取大学医学部附属病院 )

Going paperless, Business improvement, Cost leakage prevention

【実践目的】T大学病院の外来患者数は約1557人/日である。外来受診患者総数の48.5%がスマートフォンアプリの患者呼び出し受付システム(以下とりりんりん)を登録し、受付機を使用していない。そこで、患者動線を考慮しペーパレス化を進めるため外来基本カード廃止への取り組みを開始した。
【実践方法】期間:2024年4月~6月末。4診療科の医療関係者に基本カード廃止ついてヒアリングを行い、カテゴリー別に課題を抽出し対策を明らかにした。
【実践結果】ヒアリング結果より、「診療受付」「カルテステータス」「処置」「指導料」「コメント」「紹介状」「他院からの紹介状」「他科紹介」「初診・再診」「バーコード」「その他」の11のカテゴリーに整理できた。
患者動線により「診療科受付・順番管理をシステム化」、「診察終了会計可能のステータスを追加」の2つが対策となった。算定漏れ防止対策については、「指導料・材料オーダーのマスタを整備」と、「電子カルテの他科紹介、初再診、病院からの紹介状の有無」を確認できる会計窓口の端末設定が必要となった。診療科ではリアルタイムに実施情報を登録する「処置オーダーのバーコード化による処置実施の簡略化」が必要となった。また、患者番号のバーコードによる認証は、とりりんりんユーザーはとりりんりんのバーコードで 受付機使用患者は受付票で行うことにした。
【考察・結論】外来基本カード廃止するには、システム改修3つ、マスタの整備関連2つ合計5つの対策が明確となった。20年以上電子カルテが稼働し今回初めて外来基本カード廃止について検討した。医事課職員、医師、看護師が対話し、それぞれの問題や課題を共有し、改善のためのアイデアにより、今までの外来業務が整理された。また、大きなシステム改修がなく、実現できる方法を見つけることができた。
【倫理的配慮】個人が特定される情報は取り扱わないように配慮を行った。