Japan Association for Medical Informatics

[4-J-5-03] LISを活用した検体仕分け・搬送業務の効率化

*Kengo Ito1,2, Taichi Kato1,2, Yasutaka Shimai3, Ryoji Koide2, Fumiaki Sato2, Yasunori Yogo1 (1. トヨタ記念病院, 2. 株式会社グッドライフデザイン, 3. シスメックスCNA株式会社)

Laboratory Information System, Sample transportation, Work efficiency

【目的】当検査室(GLD)は隣接するトヨタ記念病院(TMH)の検体検査を受託しており、救急外来や外来診察前検査について高度なTAT管理が求められる。従来検体搬送スタッフ(非医療職)は各個人がマニュアルを作成し、多種多様な検体を決められた運用ルールに基づき仕分け・各部署への搬送を行なっていた。今回2023年度のTMHおよびGLD建屋移転を機に、運用ルールがより複雑になることが予測されたため、LISに検体仕分け・搬送業務支援を目的とした新機能を導入し、検体紛失や結果遅延などの過誤発生防止や業務効率化を図った。
【方法】シスメックスCNA社と共同で、検体仕分け・搬送業務支援ツールである「検体行先表示機能」を新規開発しLISに導入した。全検査項目マスタにそれぞれ測定部署マスタを新たに設定し、オーダに含まれる検査項目の測定部署を材料ごとに画面上へ出力できるようにした。
【結果】LISが上位システムから検査依頼情報を受領した時点以降にオーダバーコードを入力すると、検体の搬送先や搬送順序、注意事項が出力されるようになった。これにより検査項目の知識が全く無い非医療職でも、最小限の労力で検体仕分け・搬送業務を遂行することが可能となった。その結果、導入前と比べて仕分け・搬送に関する過誤発生件数が減少した。また検体搬送スタッフを対象としたアンケート調査により、実際に業務時間短縮や教育工数削減など業務効率化が実現したことを確認した。
【考察】検体の動線や予備情報をデータベース化することで、仕分け・搬送支援システムの構築が実現でき、過誤発生防止や業務効率化に繋げられたと考える。また近年のタスクシフト/シェアにより検査室業務は拡大傾向にある。しかし検査室の人材確保は困難な状況であり、LISの利用範囲やユーザーは検査技師からその他一般スタッフへと拡大している。今後はより各ユーザーの利用目的に合わせたシステム構築・管理が必要であると考える。