一般社団法人 日本医療情報学会

[4-J-5-04] 病院情報システム停止時に診療記録を一時保存する仕組みの構築

*小田 洋一郎1、野津 信弘1、安藤 愛子1、小川 瑛穂1、北澤 太郎1 (1. 茅ヶ崎市立病院 )

Hospital Information Systems, scheduled shutdown, alternative operation, WEB service, data input after restart

【はじめに】茅ヶ崎市立病院では、病院情報システムにNEC社のMegaOak iSを採用している。機器更新に伴い病院情報システムが31時間停止することになり、この間の診療記録の扱いが問題となった。システム停止は休日に行ったので外来診療はないが、特に時間が長いため勤務者が交代するので1元的に情報を管理して共有する仕組みが必要となった。
【方法】茅ヶ崎市立病院では、イントラネット上のポータルサイトを内製して運用している。移行の一足先にポータルサイトを運用するイントラネット上の新サーバを稼働させその上に診療記録を一時保存するWEBサービスを以下の様に構築した。
患者ごとに作成された1つの記録に、電子カルテのように新しい記録を追記することで、記録の一元化を担保する。この記録には多職種で書き込み、記載者名、職種と記載時刻がわかるようにする。また同時に複数の端末から記録を閲覧でき、更新も可能とする。また、病棟患者一覧と救急患者一覧を作成し、そこから患者の記録をキックできるようにする。救急患者の受診や入退院を追加できるようにする。
【結果】ハードウエア更新は予定通りのスケジュールで行われた。
WEBサービスを利用して330名の患者の記録が行われた。稼働直後に事務員がコピー&ペーストする形で電子カルテに転記し医師に承認を求めた。事務員10名で概ね2時間要した。その後診療記録管理室による監査が3名で行われ概ね1時間で終了した。
【考察・結論】31時間という長時間のシステム停止であったがWEBサービスは障害なく稼働した。WEBサービスを構築することで診療記録の一元管理を行うことができた。復旧直後に中央で一斉に作業したので、電子カルテへの記録の迅速な反映が可能となり、また勤務者の負担軽減の両方に貢献できた。
次回も利用したいという声が上がった。
【倫理的配慮】該当せず。