[LS22-01] 医療データの収集と活用に向けた現状と将来像
多施設の医療データを利活用するためには、コードの標準化とデータの信頼性の担保が必要である。レセプト、DPC は標準化され、信頼性は担保されるが、実施情報のみで結果情報を持たない。これに対し、レセプト、DPC 情報に加え、オーダ情報を二次利用を目的として、標準化、品質管理をする取り組みがある。しかし、利活用に必要な多くのデータは、経過記録や退院サマリなどにフリーテキストで記載されており、二次利用が困難な状況である。我々は、前向きのデータ収集に対しては、テンプレートを使い収集項目を定義し、臨床データを収集する取り組み、後ろ向きのデータ収集に対しては、フリーテキストで記述される医療記録から自然言語処理技術を使用し情報抽出をする取り組みを行ってきた。大阪臨床研究ネットワーク(OCR ネット)では、大阪府下の医療機関の電子カルテにこれらの仕組みを導入し、臨床研究等に活用している。本セミナーでは、OCR ネットの取り組みを通じ、電子カルテデータ利活用の将来像を議論したい。
