Japan Association for Medical Informatics

[SS3-02] 医療・介護系情報を中心とした新たな地域 IT ネットワーク基盤の構築

*佐藤 昇1 (1. 社会医療法人敬和会 理事/大分大学医学部 ヘルスケア AI・データサイエンス学講座 特任教授)

 デジタルトランスフォーメーション (Digital Transformation: DX) を地域で展開するためには、その基盤となる医療・介護データをリアルタイムにかつ広範囲に取り扱える社会インフラの構築が喫緊の課題として挙げられます。しかし、既に医療ネットワークが導入されている地域においても、① ネットワークに介護分野からの情報が含まれていないため、患者さんの日常生活における重要な介護情報がわからない、② 医療従事者が使用する前提で作られているため、患者中心医療の主役である患者さんからの必要とされる情報へのアクセスが考慮されていない等の問題点が指摘されています。それらに加え、医療・介護データをビッグデータとして解析するための情報集積基盤や災害時のライフラインとしての活用を可能とする機能も重要となります。さらには、こういった新たなテクノロジーを最大限に駆使するためには、新たな能力を備えた DX 人材育成が必要になると考えます。本セミナーでは、現在開発中で最近試験運用を始めたばかりである セールスフォース社の Health Cloud を基盤とした次世代情報ネットワークプロジェクトについて、地域における人を中心とした社会インフラ構築の側面から考察したいと考えています。