一般社団法人 日本医療情報学会

[SS4-01] 診療、及び臨床研究の業務支援に対する生成AIの活用に向けて

*岡村 浩史1 (1. 大阪公立大学)

 診療や臨床研究における多くの業務は情報処理操作であり、デジタル化による自動化・効率化が期待される一方、用語や略語の表記ゆれを含む診療記事、レポートといった非構造化データの扱いに課題がある。近年の大規模言語モデル(LLM)の登場により、自然言語における単語・文章の意味の曖昧さや係り受けに対する高精度な解釈が可能となり、さらにマルチモーダルAI によって画像とテキストを関連付けたタスクも可能となった。これにより、様々な医療業務における生成AI の効率的な支援が現実味を帯びつつある。一方で、医療分野での生成AI の精度検証はまだ限定的であり、本邦の医療データを用いたさらなる検証が求められる。また、診療情報の扱いには法的・倫理的配慮が不可欠であり、生成AI の利用環境にもその点を考慮した整備が必要である。
 本講演では、医療施設における生成AI の利用環境整備と活用の構想について提示する。