18:15 〜 19:45
[1F8] 形から読み解く小脳回路発達・維持・再生の分子機構
生命科学を先導する分子生物学会において、高分解能可視化技術がこれまでに果たしてきた役割は大きく、当法人は、その具体例を分子生物学会フォーラムの場で毎年紹介してきた。今回講演をお願いした渡辺雅彦教授(北大)は、顕微鏡技術と遺伝子改変モデルマウスを組み合わせた形態学的解析を通して、小脳プルキンエ細胞のシナプス回路発達・維持・再生の分子機構に取組んで進めて来られた。
遺伝子プログラムにより形成される初期シナプス回路は、ステレオタイプで重複が多く、特異性に乏しい未熟な回路である。生後、感覚刺激の増大とそれによる神経活動の亢進は、ポスト側の中枢ニューロンの活性化を招き、その活動性に応じたシナプスの強化と除去(刈込み)と神経回路の拡大・縮小(可塑性)が起こる。入力選択的なシナプス接着分子、神経活動を媒介するカルシウム濃度制御分子、細胞外グルタミン酸濃度調節分子は、この回路発達を制御する主要な分子機構である。これらの多くは、成体期における回路維持や傷害後の回路再生にも働いている。このフォーラムでは、入力選択的な接着分子であるグルタミン酸受容体GluDを中心に、これと協同し競合する幾つかの分子機能も紹介する。
18:15~18:20 趣旨説明
大隅 正子(認定NPO法人綜合画像研究支援・日本女子大学名誉教授)
18:20~19:20 形から読み解く小脳回路発達・維持・再生の分子機構
渡辺 雅彦(北海道大学大学院医学研究科 教授)
19:20~19:30 総合討論とまとめ
川本 進(認定NPO法人綜合画像研究支援・千葉大学)
遺伝子プログラムにより形成される初期シナプス回路は、ステレオタイプで重複が多く、特異性に乏しい未熟な回路である。生後、感覚刺激の増大とそれによる神経活動の亢進は、ポスト側の中枢ニューロンの活性化を招き、その活動性に応じたシナプスの強化と除去(刈込み)と神経回路の拡大・縮小(可塑性)が起こる。入力選択的なシナプス接着分子、神経活動を媒介するカルシウム濃度制御分子、細胞外グルタミン酸濃度調節分子は、この回路発達を制御する主要な分子機構である。これらの多くは、成体期における回路維持や傷害後の回路再生にも働いている。このフォーラムでは、入力選択的な接着分子であるグルタミン酸受容体GluDを中心に、これと協同し競合する幾つかの分子機能も紹介する。
18:15~18:20 趣旨説明
大隅 正子(認定NPO法人綜合画像研究支援・日本女子大学名誉教授)
18:20~19:20 形から読み解く小脳回路発達・維持・再生の分子機構
渡辺 雅彦(北海道大学大学院医学研究科 教授)
19:20~19:30 総合討論とまとめ
川本 進(認定NPO法人綜合画像研究支援・千葉大学)