The Molecular Biology Society of Japan

6:15 PM - 7:45 PM

[2F8] Understanding of neural differentiation system to generate cellular diversity in the brain

神経幹細胞は、脳を構築する元となる細胞であり、発生過程において神経幹細胞がどの細胞を生み出すかは厳密に制御されている。近年、大脳皮質の神経分化を制御する様々な転写因子の解析が飛躍的に進展する一方で、神経幹細胞をprospectiveに同定できる真の標識は未だ見いだされておらず、神経分化の制御機構に関する謎は依然多い。これは、哺乳類の大脳皮質においては神経幹細胞とその他の細胞(中間型幹細胞、前駆細胞、分化過程の未成熟な細胞など)との境目が明確に区別できないことが大きな要因となっている。本フォーラムでは、真の神経幹細胞が優先的に獲得する微小環境の原理や、神経幹細胞の時間特性を制御する原理、未成熟な神経細胞(多極性形態細胞)の動きや双極性細胞への形態変化を制御する原理について、最新の研究成果を発表・議論する。これにより、神経分化制御機構の解明に向けた「障壁」を共有できるフォーラムを展開する。

18:15~ はじめに
18:20~ 大脳皮質における神経系前駆細胞の時間的変化とサブタイプ決定機構
大石 康二(Francis Crick Institute, Mill Hill Laboratory)
18:37~ 脳発生に倣う人工足場の創製:成体損傷脳の再生を目指して
味岡 逸樹(東京医科歯科大学 脳統合機能研究センター)
18:54~ 発生期大脳皮質における血管発生の規則性は、神経分化を調節する
水谷 健一(同志社大学脳科学研究科 神経分化再生部門)
19:11~ 大脳皮質発生過程における2次的神経細胞産生部位としての脳室下帯
の成り立ちと脳進化との関連
田畑 秀典(愛知県コロニー発達障害研究所 神経制御学部)
19:28~ 哺乳類大脳新皮質の進化における新しい神経細胞移動モードの獲得とサブプレート層の役割
丸山 千秋(東京都医学総合研究所 脳発達・神経再生研究分野)