特定非営利活動法人 日本分子生物学会

18:15 〜 20:15

[市民公開講座] ゲノム編集は生命観を変えるか?

石井 哲也1、石野 良純2、斎藤 通紀3、武藤 香織4 (1.北海道大学 安全衛生本部、2.九州大学農学研究院、3.京都大学大学院医学研究科、4.東京大学医科学研究所)

 近年、分子生物学の研究において、CRISPR/Cas9等を用いた現代的なゲノム編集技術の種々の分野での利用が拡大しつつあります。現代的なゲノム編集技術は、古典的な遺伝子組み換え手法よりも、生命の真理の探求において、その効率や精密さにおいて圧倒的に優れています。また、育種等においては自然交配よりも短期間で、目的とする有用な形質をもった作物や畜産物をつくりだすことを可能にしました。一方、疾患の治療を目的とした、ヒトの細胞に対してゲノム編集技術を応用した研究も報告され始めています。ゲノム編集技術のこのような側面は、必然的に生命倫理的な問題を包含しています。本市民公開講座では、種々の立場から、現代的なゲノム編集技術の現状と、その応用にまつわる課題について、パネル討論形式で議論を深めることを目的としています。本テーマに関心のある本学会関係者ならびに一般市民の方々の多数の参加を希望いたします。