JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

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[O-05] 高校生によるポスター発表

2017年5月21日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

13:45 〜 15:15

[O05-P02] 統計学とコンピュータで探る地震変動地形

*山﨑 千種1、*谷 尚俊2、*杉本 優友2、*大山 航2 (1.広島大学附属福山中高等学校、2.岡山県立倉敷天城高等学校)

キーワード:地震変動地形、デジタル標高モデル、地理情報システム、自己相関解析、活断層、傾斜度

地震による災害を防ぐためには活断層の位置や活動周期を知る必要がある。活断層は周期的に地震を起こし地形を変動させる。日本の地形は我が国の政府系機関 によりデジタル標高モデル(DEM)として公開されている。10m間隔や5m間隔の高解像度DEMは過去の地震による変動地形の検討に使用できると考えられる。本研究では地理情報システム(GIS)の地形傾斜度解析機能と統計学の手法の一つである自己相関解析を使い高解像度DEMを用いて地震変動地形を検討した。

 活断層による周期的な変動地形は緩斜面と急斜面の繰返しになると考えられる。そのためGISを利用してDEMから地形の傾斜度を計算し自己相関解析を適用して急傾斜地域の分布パターンを解析した。河岸段丘や海岸段丘と地震変動地形は20万分の一シームレス地質図(産業技術総合研究所地質調査総合センター,2016)を考慮して区別した。対象地域は活断層が少ないと考えられている岡山県南部と,活断層分布が詳細に検討されている兵庫県南部に設定した。高解像度 DEMは国土地理院により公開されている数値地質情報(国土地理院, 2016)を利用し,地理情報システムはFOSS4GアプリケーションであるQGIS (QGIS, 2016)を使用した。また,急傾斜地域の3DマッピングにはGoogle earth (Google, 2016)を使用し,傾斜分布の自己相関解析にはMATLAB(Mathworks, 2016)を使用した。

 検討の結果,岡山平野には地震変動地形がほとんど存在しないと考えられた。次に兵庫県南部の地形に関して5m DEMを元に傾斜度解析を行ない,更に傾斜分布の自己相関解析を行ったところ,南北方向では約125m間隔の不明瞭な相関が見られ,東西方向では約 100m間隔で相関が高まる傾向が見られた。また同地域で二次元自己相関解析を行った結果,約80m間隔で相関が高まる傾向が見られた。傾斜度が10度以上の地域が約80m間隔で相関が高まるということは,この地域において約80m毎に急激な地形変動が存在することを示していると考えられる。この地形変動と地震による変動を結びつけることが可能なら,この間隔が地震発生周期であると推定できる。この点に関しては今後の検討課題である。