一般社団法人 日本医療情報学会

[2-J-1-03] 手術術式毎の総使用医療材料に対する「GS1標準バーコードが印刷されている医療材料」の金額割合の検証

澤田 真如1、小坂 真1、長谷部 徹2、西山 純一1、鈴木 武志1 (1. 東海大学医学部医学科外科学系麻酔科学, 2. 東海大学伊勢原情報システム部伊勢原情報システム課)

GS1 barcode, medical materials, hospital economy

現在、多くの医療機関が経営赤字に陥り、その改善が課題となっている。病院経営の悪化は患者サービスの低下につながる可能性があり、安全性の維持にも影響を与える懸念がある。経営改善において支出分析が重要であるが、医療施設における医療材料の情報基盤整備は十分ではないことが多く、各医療機関の課題となっている。厚生労働省の指針により、多くの医療材料に対して、GS1標準バーコード(JAN・GS1-128など:以下GS1)が印刷されるようになったため、当院では2015年に約1000万円をかけて、電子カルテシステム・手術部門システムをGS1に対応させて手術会計を行ってきた。今回使用医療材料の総額に対して、GS1を使用して金額ベースでどの程度把握できるのか検証した。検証は消化器外科開腹手術3例、消化器外科胸腔鏡・腹腔鏡手術6例、婦人科開腹手術2例、婦人科腹腔鏡下手術1例、心臓血管外科人工心肺手術1例、耳鼻科手術2例の計15例で行った。対象手術で使用した医療材料を全て回収し、患者請求ができない縫合糸・シリンジ・ガーゼ・アルコール綿・手袋などは手作業による集計を行い、使用材料の総額を算出した。金額は納入価格を元に計算し、シリンジやアルコール綿などは1箱の金額を内容数で割ることで算出した。GS1がある医療材料は、耳鼻科手術などの「医療材料の総額が低い手術」を除外すれば、使用医療材料の総額の約90%の金額を占めていた。残りの約5%は縫合糸であったが、当院採用の縫合糸はGS1ではなく工業系で使用されるCODE39バーコードが印刷されていたため、GS1では集計ができなかった。ガーゼ・シリンジ・手袋・綿球などのGS1が印刷されていない消耗医療材料は総額の5%弱であった。GS1標準バーコードを活用すれば、手術における使用医療材料総額の90%に近い金額について分析できる可能性があると考えられた。