一般社団法人 日本医療情報学会

[3-P2-2-01] 電子カルテシステムを用いて患者情報を収集する看護師の視線に関する調査

髙見 美樹1、中西 永子1、西海 英子2、狩野 雅道1、石垣 恭子1 (1. 兵庫県立大学, 2. 三菱神戸病院)

nursing information system, eye tracking, collecting information

【背景】保健医療福祉情報システム工業会におけるオーダーエントリー・電子カルテシステム導入調査報告書(2017年調査)によると、電子カルテシステムの導入率は34.4%、導入件数で見ると病床規模が150~299床の病院で最も多いと報告している。また、日勤の時間外業務への影響要因と残業業務の調査では、始業前に「患者情報収集」を行う前残業が多いと報告されている。電子カルテシステムが導入されている病院に勤務する看護師は、始業前に電子カルテシステムを用いて患者情報を収集し、日々の患者ケアを行っている。その際、看護師はどのように画面を見ており、また見ていないのか、電子カルテシステムに表示されている情報の見方を把握することで、より効率的な情報収集に向けた患者情報の配置や、強調表示、画面遷移等の示唆を得ることを最終目的として、安価で操作し易い据え置き型の視線計測器を用いて調査を行った。

【目的】本研究では、電子カルテシステムを用いて患者情報を収集する看護師が、どのように画面を見ているのか、画面の見方を明らかにすることを目的とした。

【方法】電子カルテシステムが導入されている200床未満のA病院に勤務する看護師を対象とし、電子カルテシステムを用いて、日勤業務開始前における受け持ち患者の情報収集を行う際の視線の動きを、視線計測器を用いて収集を行った。調査に使用した電子カルテシステムは、A病院で導入されている電子カルテシステムの開発用に導入されている同型のシステム(以下、調査用電子カルテシステム)を活用した。調査用電子カルテシステムに登録する模擬患者の情報は肺炎患者3名とし、A病院の看護師2名に、事前に情報収集に必要な情報が整っているか検証を受けた上で調査を実施した。

【結果】看護師の電子カルテシステムの画面の見方には複数の経路があり、同じ情報を様々な経路から見ていることが分かった。