2024年春の年会

出展者情報

東京工業大学 中瀬研究室

東京工業大学 中瀬研究室

東京工業大学科学技術創成研究院ゼロカーボンエネルギー研究所では、広くゼロカーボン社会の実現に向けた研究開発を進めています。中瀬研究室では「原子力イノベーション」をキーワードとし、既存の原子力研究の枠組みを超え、理学×工学×デジタルのアプローチを駆使した革新的原子力システム研究を推進しています。具体的には、以下のような多様な研究を行っています。

①新しい原子力エネルギーシステムの構築(革新的原子炉、原子力船、再エネ協奏システム)
②核燃料サイクル評価(諸量評価、サイクル合理化・統合化、再処理・バックエンド要素技術、処分場設計)
③福島復興・再生研究(廃棄物、デブリ)
④アクチノイド化学、放射化学(抽出剤開発、廃棄物、ケモインフォマティクス、医療用RI)
⑤放射性物質のデジタル管理(保障措置・核セキュリティ、ノレッジマネジメント、ナショナルインベントリ)

特に、①新しい原子力エネルギーシステムの構築では、政府の掲げる2050年までのカーボンニュートラル達成、また近年の原子力の多目的利用への期待の高まりに合わせ、溶融塩高速炉を動力源とする原子力船の研究を立ち上げました。原子力船「むつ」における検討を参考に船舶用の小型炉の概念設計を行い、原子力船導入の市場性や経済性(交通経済)、ゼロカーボン化への貢献、及び、既存の原子力システムと結節させた船舶導入シナリオの定量的な分析に取り組んでいます。このように、真にイノベーティブな原子力システム構築に挑戦し続けます。

中瀬研では、これら先端研究を結節して大きな原子力システムの将来ビジョンを描くために、統合核燃料サイクルシミュレーターNMB4.0を日本原子力研究開発機構と共同で開発しています。NMB4.0は高速な計算アルゴリズムを備え、燃料製造、再処理、処分といった広汎な核燃料サイクルのプロセスや多様な炉型に対応し、それらの組合せやパラメータを柔軟に設定できるなど、将来想定される多様な原子力利用シナリオを解析可能です。

エネルギーや原子力戦略を闊達に議論しながら技術開発を促すため、NMB4.0はオープンソースとして一般公開しており、開発チームは近年OECD/NEAの専門家会議等を通じて積極的な海外展開も進めています。2022年3月に公開以降、国内外30機関、140名以上のユーザーコミュニティを要し、研究会やシンポジウムも開催し、好評を得ています(会議の様子や議事録はHPをご覧ください)。また、東工大やJAEAにおける講義でのNMB利用、地域住民との勉強会、教育にも役立てています。

ユーザー、TEAM NMBのメンバー募集中です!TEAM NMBと一緒に、将来の原子力システムを考えてみませんか?
NMB4.0 Channel


以下、中瀬研とNMBの資料です。
中瀬研紹介
NMB4,0:プレスリリース
NMB研究会2024