日本化学会 第102春季年会 (2022)

シンポジウム

開催予定のシンポジウムの情報を随時掲載いたします。
企画詳細
会期:3月23日~26日
 
化学に携わる者として社会課題を解決するために何をすべきか、何ができるか、組織や立場を超えて議論する場として本プログラムを企画します。地球温暖化・エネルギーや資源の枯渇・未知ウイルスの出現など人類持続に関わる問題が山積みとなっており、化学への期待と要求はますます大きくなっています。産学官が連携・協働してシーズを創り、イノベーションを達成していくために必要な議論を展開します。積極的なご参加、よろしくお願いいたします。
 
実施日
シンポジウム名称
3/25 終日
3/26 終日
3/23 終日
3/24 終日
3/24 終日
3/25 終日
3/23 終日
3/26 終日
3/23 終日
3/24 終日
3/26 午前
3/25 終日
   AI、自動化、ビッグデータなどデジタル技術の活用がもたらす新たな価値と変革の観点から、科学技術のさまざまな分野では「デジタルトランスフォーメーション(DX)に伴う科学技術・イノベーションの変容」が起こっています。特に研究開発の現場のDXは21世紀の科学技術を変容させており、今が分岐点です。このシンポジウムでは、化学分野でのDXに焦点をあて、データ駆動アプローチやロボット技術とAI技術との融合による自律的材料探索も含めた研究開発システムの変革を概観します。
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  多孔性配位高分子(PCP)あるいは金属-有機構造体(MOF)と呼ばれる材料群は、金属イオンと有機系リンカーからなる規則性3次元配列に基づいた多孔性構造を有し、その「孔」が示すカ゛ス貯蔵・分離なと゛の革新的な「機能」ゆえに、様々な分野における実用化が期待されています。また近年では、高機能触媒や光触媒としての応用や、その孔を鋳型とする革新的材料の創製など、その発展はとどまるところを知りません。本セッションでは、エネルギーや環境問題に資するPCP/MOF研究を活発に展開している先生方、および実用化を進めているアカデミア・企業の先生方にご講演を頂くことで、商業化の最新動向を含めた情報を共有しつつその概要と最新動向を俯瞰し、さらなる発展に寄与することを目指します。
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  近年,化学に限らずすべての学術分野においてAIやインフォマティクスを基盤としたデータ処理や理論構築が必須となっている。しかしながら,数理統計や情報科学を専門としない,化学分野においてインフォマティクスやAIという概念や言葉の定義など基礎的な事柄に対して正しく理解している研究者は多くない。そこで,本セッションではAIおよびインフォマティクス基礎の基礎として,これらの用語解説や基礎となる概念や数学的な背景について各分野の著名な講師より基礎から解説を頂く。
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  マテリアルズ・インフォマティクスは材料設計指針の探索範囲の拡張をもたらしています。合成や理論計算のハイスループット化技術も進んでいます。インフォマティクスの活用は,従前の材料開発・設計研究の時間軸を大きく変えていきます。活発な研究開発によって優れたバルク物性の新材料の創製など多くの成功例が見られるようになってきました。脱炭素や資源循環に必要となるエネルギー変換や触媒反応の性能は表面や界面で決定され,表面・界面の高機能化を実現する目的でのマテリアルズ・インフォマティクスへの期待が高まっています。本セッションでは、従来のマテリアルズ・インフォマティクスの限界を超えた,マテリアルズ・インフォマティクス2.0への刷新につながるような潮流に焦点をあてます。
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  ごく最近脱炭素社会の実現に向けた議論が活発になっています.再び議論が再燃しつつある地球温暖化問題の現状や日本のエネルギー構成と今後の方向性を理解しつつ,日本化学会のセッションとして主に化学的アプローチを含んだ様々な太陽電池の研究開発動向について議論します。グリーン社会の実現に向けて実用化が期待されるペロブスカイト太陽電池,国際的には最近再び研究が活発になってきた有機薄膜太陽電池の具体的な科学や技術の話を中心に,企業からの話題も盛り込みます。
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  2020年10月に「2050 年カーボンニュートラル」を宣言し、2030年度の新たな温室効果ガス削減目標として、2013年度から46%削減することを目指し、さらに50%削減の高みに向けて挑戦を続けるとの新たな方針も示されました。カーボンニュートラル実現のためには、基礎研究段階にある人工光合成に代表される太陽光駆動型光水素製造や二酸化炭素利用に加えて,再生可能エネルギー由来や二酸化炭素フリー水素製造技術、さらには二酸化炭素の有価物への触媒的変換技術を急速に発展・成熟させる必要があります。本セッションでは、これらの研究について世界をリードする研究者に紹介いただきます。カーボンニュートラル実現に向け、何が必要でどんな挑戦が必要か、活発な議論の場の提供を考えております。
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  カーボンニュートラル社会を実現する鍵となるデバイスとして、革新電池の研究開発が世界中で加速しています。革新電池を社会実装するためには、基礎的なメカニズム解明や、実用化を見据えた研究開発が必要となります。本セッションでは盛んに研究開発が進められている固体電池、水系電解液電池、キャパシタを革新電池として取り上げ、それぞれの研究開発の最新動向から将来展望を議論します。
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  熱エネルギーは、工場などの産業部門だけでなく、日常生活における様々な電子機器から排出され、それらは回収再利用されることなく散逸してしまっています。これらを高効率で有効に活用できる革新技術の開発が強く望まれていることから、本セッションでは熱エネルギーを電力に直接変換可能な熱電変換技術や、熱の計測、熱マネージメントについての最新技術について議論します。
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  がん、脳梗塞、感染症、などに対する最先端医療や再生医療における喫緊の課題を克服し、健康長寿社会を実現するための医療・ライフサイエンスを支える先端材料や技術に関する化学とその社会実装に関して議論します。
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  COVID-19に見られる世界規模のパンデミックの中で、グローバリゼーションに対応した健康長寿社会を実現するため、多様な生活スタイルの人々の健康と医療をサポートするためのヘルスケア技術が求められています。特に感染症の診断や予防には、疾患原因となる微生物やウイルスの化学的特性を利用した、簡便で迅速かつ高感度・高精度な検出や計測を可能とする技術開発が必要です。例えば、検体中の微量成分を簡易な工程で解析したり、細菌やウイルスを迅速に分離し高感度に計測する新たな原理の提唱と技術展開のイノベーションが精力的に進められています。本セッションでは、これら最新の分析技術やその事業化に向けての取り組みについて話題を提供します。
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  近年、疾患の分⼦レベルでの理解により新しい治療法は進化し、従来の医薬品では対応が難しかったターゲットに対する医薬品が開発されています。その背景には創薬モダリティの選択肢が著しく増えつつあることが挙げられます。このセッションでは、モダリティ新時代の現代において、難病や難治療性疾患に対して画期的な⼿法での治療薬や治療法を開発されている創薬・バイオベンチャーの⽅に講演をお願いし、議論します。
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  2021年5月の国連総会において本年が国連国際ガラス年「IYOG2022」となることが採択されました。ディスプレイ、照明、生活用品や建築、⾃動⾞等における身近な役割に加えて、エネルギー、情報通信、航空宇宙、電⼦⼯学、オプトエレクトロニクスなど最先端分野で、新しいガラス製品やプロセスが開発され、国連の「持続可能な開発⽬標:SDGs」にも貢献するなど、ガラスが世界に与える好ましい影響は拡大し続けています。本セッションでは、ガラスの基礎から応用まで、現状と課題、未来の⽅向性を議論します。
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中・長期戦略に基づくシンポジウムを春季年会実行委員会と学術研究活性化委員会の合同企画として継続的に実施しています。 本年会では次の 6テーマを実施予定です。
 

実施日

シンポジウム名称

3/24 午後

分子から創るSpin Qubitsの最前線

3/23 午後

高密度共役物質の未来~新しい電子共役から生み出される機能~

3/23 午前

生物現象鍵物質の研究展開

3/23 午前

人工光合成技術の社会実装に向けた課題そして展望

3/24 午前

革新的触媒:未来へ

3/23 午後

次世代分子システム化学のフロンティア―協奏的機能の創出と計測―

 

通常のコンピュータ-のbitsは0と1から構成されているが、量子コンピューターのbits(=Qubits)は|0>と|1>の線形結合(= |0> + |1>)から構成されているために、飛躍的な超高速や巨大容量の計算が可能となると期待されている。これまでにQubitsの候補として超伝導、ダイヤモンド、光などが用いられていたが、近年、分子スピンを用いたMolecular Spin Qubitsが世界的に盛んに研究をされるようになってきた。本シンポジウムでは、分子のスピンを用いたMolecular Spin Qubits研究の最前線を紹介する。
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  分子性物質をもとにした新しい電子共役の創成を目指して,文部科学省学術変革領域研究(A)高密度共役の科学領域がスタートしました.この領域では,従来の化学結合の軸にとらわれない電子共役として,分子そのものがよりはむしろ,分子間の空隙の制御に特に着目をした研究を展開しています.電子の広がりによる安定化という,100余年にわたるThieleによる共役の定義を改めて見つめなおし,電子共役そのものの概念変革を引き起こすことを目標にしています.本シンポジウムでは,新しく生み出されるべき分子性物質の高密度共役状態からどのような機能が期待され引き起こされるかについて,領域内外の研究者の意見交換通じた新たな”気づき”を求めて企画しました.
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  今世紀初頭,生物現象鍵物質をキーワードとする研究がわが国で盛んに行われた。化学の視点から生物現象を理解する本研究は、異分野領域の融合や、ケミカルバイオロジーなど新たな学問分野の発展をもたらした。今回のシンポジウムでは、本中長期テーマの源流とも言える鍵物質研究を牽引した主要研究者、および新進気鋭の若手研究者を集めて、現在までの発展と未来を議論したい。
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  カーボンニュートラル社会の実現に向けて、太陽光エネルギーを用いて水の分解や二酸化炭素の再資源化を行う「人工光合成」への期待がますます高まっている。本企画ではこれまで学術的な成果を中心に本技術の進展を紹介してきたが、産業界の関心は、太陽光エネルギー変換効率などの数値にとどまらず、人工光合成系で得られる様々な生成物の価値やそれらの分離・貯蔵・利用なども含めた経済性などにも及んでいると考えられる。そこで今回の企画では、人工光合成技術の社会実装を想定し、経済性も踏まえた実現の可能性や課題、そして展望を議論する場としたい。
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  本中長期企画では、均一系触媒、不均一系触媒から生体触媒に関わる研究者が一堂に会し、天然資源の少ない我が国が取り組むべき挑戦的課題に関して総合的に討論を行ってきた。今回は最終回として、過去4回の総括の上に未来を語る。
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  分子が複雑な集合体を形成することにより新たな分子機能の発現を目指すーそれが次世代分子システムであり,そのフロンティアでは,従来の分子単体での機能に特化した化学では到達できない新規機能物質の開発に対して分野横断的な新たなアプローチが展開されている。分子を組み合わせることで1+1以上の新たな機能を創出するためには,それらの協奏的連動が不可欠である。本シンポジウムでは,協奏的機能創出を可能にする分子システムの創成とその計測、理論的機能解明について,物理化学,合成化学,高分子化学,生物物理学などの多分野の研究者により討論する。
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実施日

シンポジウム名称

3/24 午前

配位テンプレートロジーに基づく高機能物質の創製

3/25 午後

光化学の新展開:電荷移動状態を操る!

3/23 午前

低次元材料がもたらす電子・光機能

3/24 午後

細胞産生微粒子の分析に挑む:細胞外小胞と細胞内相分離液滴

3/25 午後

化学者のための放射光ことはじめ-XAFSの基礎と先端応用

3/26 午後

ルミネッセンス化学アンサンブル: 未来のサイエンスに向けた多様な励起化学

3/24 午後

抗菌・抗ウイルス機能を付与する無機材料設計

3/26 午後

自然環境と社会からのメッセージ~「化学への期待」!

3/23 午前

モビリティ用電池の化学

3/25 午前

赤外線の化学利用―近赤外からテラヘルツまでー

  生体酵素内では取り込んだ化学物質を精密に認識、情報伝達し、高選択的に複雑な化合物を作り出す。このような精巧な化学反応が連動する仕組みは、酵素が高度に組織化したテンプレート空間を有しているところに依拠する。本企画では、機能物質創製の新たな方法論の開拓を目指し、配位結合を軸に作りこんだ枠や空間をテンプレートとすることで、狙った場所に狙ったタイミングで元素や分子の精密配置を行う最新の研究を講演していただく。ナノ組織体の構築、分子配向・集積による機能発現、精密反応場の設計に興味をもつ産官学の研究者が会することで、テンプレートの概念を意識した観点から、革新的物質の創製につながる討論を行う。
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  光化学は、エレクトロニクス、エネルギー、医薬・医療、機能性材料など現代社会において多様な貢献を期待されている。その根幹を司るドナー・アクセプター(D•A)相互作用では、今まで電荷移動を、クーロン相互作用による「静的エキシトン」として捉えてきた。しかし、D•A系ではそれ以外にも、核や格子の運動、スピンと軌道の相互作用などが動的効果として時間発展的に働いている。本特別企画では、関連分野の第一線の研究者から最先端の研究成果を紹介いただき、動的効果を含む電荷移動状態操作の理解と利用を通じて、有機デバイスの高効率化や新機能実現に向けた分子設計指針を議論する。
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  発光特性、光反応性、液晶性、伝導性、磁性など電子・光機能性材料の開発は、次世代の高機能性デバイスを生み出すために、非常に重要な研究課題と考えられている。そのような新しい機能性材料の担い手として、構造を緻密に制御でき、機能性をデザインできる低次元系材料のニーズが高まってきている。本企画では、低次元電子・光機能性材料開発を精力的に研究している講師の先生に講演いただき、機能性材料の将来の展望を討論します。
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  細胞は様々な種類の小胞や液滴を産生し、細胞内外で機能させることで、細胞自身の機能や他の細胞との相互作用を精密に制御していることが明らかになってきている。本企画では現在生物学における重要な研究対象である「エクソソームに代表される細胞外小胞」と「液液相分離により形成される細胞内液滴」に焦点を当て細胞産生微粒子とも言えるこれら生体分子集合体に対して、光化学や電気化学などを利用した高度な機能解析・計測法や高分子材料やデバイスを用いた機能制御・マニュピレーションの新技術を組み合わせた新しい実験手法の開発を進めている研究者を招き、細胞産生微粒子の機能を真に理解することを目指した分析技術の可能性について議論する。
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  高強度・波長可変性の放射光を利用したXAFSは,固相・液相・気相に拘わらず観測対象原子の結合様式や電子状態を解析,決定できる優れた分析手法である.そのため,XAFSを利用する分析は,固体触媒や無機材料の分析にとどまらず,均一系触媒反応,電池,有機電子材料まで新物質創製研究における必須の分析手法となっている.さらに,最近では,多重散乱理論の進歩,機械学習などの情報科学との融合によって,XAFSを専門としない化学者が高精度XAFS分析を行える環境が整いつつある。本企画ではXAFS分野の代表的な研究者を招き,XAFSを専門としない化学者を対象にXAFS分析の基礎と応用から産業利用についてご講演を頂く.
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  発光現象は近年大きく応用の広がりを見せ、同時に研究を通して得られた励起化学過程の知見はエネルギーや医療の技術革新に大きく貢献している。この10年は理論と実験が協働することで発光に至る励起過程に関する理解が飛躍的に深まり、より広い視点で励起化学過程を考えることが重要になってきている。第10回目となる今回は「未来のサイエンスに向けた多様な励起化学」の副題の下、気鋭の研究者の話題提供により、分子、金属錯体、半導体ナノ粒子等の多様な材料の特色ある励起過程を相互的に議論することを目的とする。本特別企画を次の10年の自由な発想の誘発につなげ、従来の限界を超える革新的発光機能と応用の創出を実現してゆくことが重要である。
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  新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,人命はもとよりあらゆる社会活動の脅威である。歴史的にはペストやスペイン風邪などの大流行もあり,近年では,SARS(2003年),新型インフルエンザ(2009年),MERS(2012年)と新たな感染症が実際に頻発している。将来のアフターコロナ時代にあっても,さらなる新興感染症への備えは欠かせない。化学が大きな役割をもつ抗菌・抗ウイルス材料の開発は大いに役立ち得るが,その設計には生物学,医学分野における専門家の視点を含めた議論が必須で,多分野間の協力関係が重要である。本企画は,多角的な視点から新たな感染症対策としても貢献できる無機材料設計を目指すもので,これら材料の社会実装も視野に入れて産業界と連携して実施する。
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  自然環境や人間社会との関係から「化学」を俯瞰し,明日の化学,化学産業を考える切っ掛けとなるようなシンポジウムを開催します。人間社会は自然世界の一部であり,これらは切っても切れない縁(化学的には物質・エネルギーの連環)で結ばれています。本シンポジウムでは,環境問題と社会問題の統合的解決に取り組む中井徳太郎環境省事務次官に,人間社会から化学への熱い期待を,「いのちの連環」の研究と再生に取り組む田中克京都大学名誉教授に,自然環境の観点から化学への期待を込めた強力なメッセージを,大学,企業で研究に打ち込む教員・研究員の皆さんや化学系の学生さんたちへ伝えていただきます。人間社会を,そしてそれを含包する自然環境をも良くする「攻めのグリーンケミストリー」を,考え・実践する切っ掛けとなることを願っています。
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  電池は、現代そして未来の重要なキーテクノロジーであり,電極や電解質などからなる電池の構造にはさまざまなバリエーションがある.これまでたくさんの種類の電池が開発され,2019年のノーベル化学賞は,1970年代前半から開発されてきたリチウムイオン電池が対象となった.そして現在,電池の最新型として,このリチウムイオン電池に代表される高エネルギー密度の二次電池や水素を用いる燃料電池が,われわれのライフスタイルを革新するモビリティ用電池として注目されている.本特別企画では,その二種類の電池に焦点をあて,それらの研究のフロントランナーらが高性能電池をつくるための最新技術の 紹介と,未来社会における電池の重要性や役割についての展望について講演と質疑応答を行う。
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  赤外線に分類される電磁波の波長領域は広く,可視光より長波長のサブミクロンから遠赤外の1㎜まで及んでいる.その中で中波長領域は分子振動のエネルギー領域にかかるところから,赤外分光として最も化学とは関係深いが,他の波長領域については,必ずしも活用されているとはいえない状況であった.最近,光源の開発,また,さまざまな限界突破の必要から,新しい研究がいろいろ出始めている.それらを赤外線の化学利用の立場から概観したい.とくに,従来から期待の大きいテラヘルツ領域,新しい光源や分光法の可能性,近赤外波の生体透過性を活用する医療応用に焦点を当てる.
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