The 58th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PG(01-64)

ポスター発表 PG(01-64)

Mon. Oct 10, 2016 10:00 AM - 12:00 PM 展示場 (1階展示場)

[PG43] 協同的な学びによる思考力・表現力の向上をめざした理科授業

授業設計・評価マトリクスを用いて

藤江浩子1, 金沢緑2 (1.福山市立加茂小学校, 2.関西福祉大学)

Keywords:アクティブ・ラーニング, 協同的な学び, 授業設計・評価マトリクス

授業改善の背景と問題の所在
 筆者は,経験年数10年目の教員で,その内5年間は低学年の担任をしているため,理科授業に関して経験が浅い。これまで学習者中心の授業展開となるよう授業改善に取り組んできているが,児童の思考を深める授業をすることは十分でない。そこで,学習時における児童の反応を具体的に想定し,1時間の学習展開を計画し実践を行っている(金沢,2013)。授業設計・評価マトリクスをもとに児童の反応を見取ることにより,児童の思考を本時の目標に到達させることはできるようになってきた。しかし,これまでは,教科書を参考に課題を教師が提示し,児童が話し合って仮説を設定して同じ実験や観察を行う方法で授業を進めてきた。一つの仮説にまとめているため,児童が自己の課題を追究し,児童自ら課題を解決しながら学びを深めていくような学習にはいたっていない。
研究の目的
 そこで,本研究では,アクティブ・ラーニングの学習形態の1つである問題発見・解決授業の手法を用い,児童1人1人が個別の仮説を設定し,得られた結果を解釈し,自己の課題解決に向けて主体的に考えを交流し合うことによって,児童自身の思考力・表現力の育成を図る授業を行い,その効果を検証する。検証に当たっては,導入前後の授業時に評価マトリクス(金沢,2013)を用いて,児童の反応を音声言語,文字言語によって収集し検討する。
研究の方法
 本研究では,マトリクスを作成し,児童の反応を具体的に想定し,学習指導案を作成して実践を行った。そして,児童の反応をもとにプロトコルを作成し,評価マトリクスを使って学習時の児童の到達度を見取った。
(1) 対象学年・人数;第4学年 38名
(2) 単元名;導入前「物の体積と温度」
       導入後「物の温まり方」
(3) 実施時期
       導入前 2015年12月11日
       導入後 2016年3月11日
(4) 実践授業における単元の指導計画
結   果
 評価マトリクス(金沢,2013)を用いて児童の反応を音声言語,文字言語によって収集し結果を表1にまとめた(表1)。
考   察
 結果から,導入後の方が,目標達成レベルである児童の発言数が増え,次時の課題を見出すなどのレベル4の発言も見られた。このことから,児童が自分の仮説をもち,学習を行うと,児童の発言数を向上させるとともに,児童の思考の質レベルを向上させることに有効であることが明らかになった。しかし,プロトコルを分析すると,児童が単語で反応している場面が多く見られる。今後は児童の発話を整理し,有効な交流が行われるようにする授業設計が必要である
参考文献
金沢 緑(2013).「理科授業の質的向上研究-「授業設計・評価マトリクス」を用いて-」日本理科教育学会第63回全国大会 北海道大会要項,pp.237