The 58th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PG(01-64)

ポスター発表 PG(01-64)

Mon. Oct 10, 2016 10:00 AM - 12:00 PM 展示場 (1階展示場)

[PG47] 保育学生のいざこざ場面への介入

介入のタイミングと理由

畠山寛 (京都ノートルダム女子大学)

Keywords:いざこざ場面, 保育的介入, 保育学生

問   題
 保育技術が未熟な保育学生は,いざこざ場面への介入やその意図をどのように考えるのだろうか。本研究では保育学生のいざこざ場面に対する介入のタイミング,介入方法とその理由について明らかにすることを目的とした。
方   法
実験協力者 四年制大学の保育士養成課程に在籍する女子学生2年次12名である。
実験手続き 実験協力者には「これから事例を提示します。介入が必要だと思われる場面(ページ)になったら,配布した用紙にページ番号,介入方法とその理由について回答してください。」と伝えた。実験協力者には,回答終了まで,介入以降のいざこざ場面の提示を行わなかった。回答終了後,再度,事例を最後まで見せて,介入場面を再考してもらった。
実験刺激 3歳児クラス9月のいざこざ場面(文章)をMSパワーポイントのスライドショー機能を使用し,提示した。具体的な事例内容は次の通りである。
【3歳児クラス9月】
 P1:ままごとコーナーのところで,Aが一人でままごと遊びをしています。コーナーの机の上には,果物や野菜のおもちゃの入った箱や粘土の箱などが置いてあります。
 P2:Aが一人で遊んでいるところへ,Bがやってきて,コーナーに置いてある箱の中からミカンを取ろうとします。すると,Aは「だめ,Aの」と言って,Bが手にしたミカンを取り上げ,自分の脇に起きます。
 P3:Bは「かして」と頼みますがAに断られ,今度はトマトを手にします。しかし,「これもAのだめ」と言われてしまいます。
 P4:Bは再度「かして」と懇願しますが断られ,Aから「ナスなら いいよ」とナスを差し出されます。Bは語気を強めて「もういらない」といってAの差し出したナスを振り切り,保育室を出ていこうとします。
 P5:Bが保育室を出て行ってから,AはBの後ろ姿をみてから,トマトを皿に載せて「あげようと思ったのに」とつぶやきました。
実験時期 平成28年4月
結果と考察
介入場面のページについて 介入場面のページ数は表1の通りである。P5での介入が最も多く,次いでP4,無が多かった。このことからいざこざ場面のタイミングは,保育学生では異なることが伺える。
介入方法について いずれの段階においてもAに対して「Bちゃんに貸してあげられない理由」や「Aちゃんが使いたかった理由」を尋ねる対応がみられた。また,Bちゃんの「気持ちを考えさせる」対応もみられた。このことから,どの段階においても,子どもの気持ちや意図を理解しようとする保育学生の意図が考えられる。
介入理由について 介入理由についてはページの後半に行くほど「2人での解決を見守りたい」といった内容がみられ,子どもの関わり方を最後まで見極めようとする姿勢が伺える。