2018年6月23日(土) 10:50 〜 12:00 第2会場 (1F 小ホール)

座長:平野 浩彦(東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科)、糸田 昌隆(大阪歯科大学医療保健学部口腔保健学科／大阪歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科)

【平野 浩彦先生略歴】
日本大学松戸歯学部卒業　医学博士
1990年　東京都老人医療センター歯科口腔外科研修医
1991年　国立東京第二病院口腔外科研修医
1992年　東京都老人医療センター歯科口腔外科主事
2002年　同センター医長（東京都老人医療センター・東京都老人総合研究所の組織編成により東京都健康長寿医療センターへ名称変更）
2009年　東京都健康長寿医療センター研究所専門副部長
2016年　東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科部長
日本老年学会理事
日本サルコぺニア・フレイル学会理事
日本応用老年学会理事
日本老年歯科医学会常任理事・専門医・指導医
日本大学松戸歯学部客員教授
東京歯科大学非常勤講師
昭和大学歯学部非常勤講師
東京医科歯科大学歯学部非常勤講師
九州歯科大学歯学部非常勤講師

【糸田 昌隆先生略歴】
1988年　岐阜歯科大学卒業
　　　　 大阪府八尾市　歯科医院勤務
1990年　大阪歯科大学補綴学第2講座入局（後に有歯補綴咬合学講座に改名）
1991年　わかくさ竜間リハビリテーション病院非常勤勤務
1995年　　同　歯科医長
2004年　　同　歯科・リハビリテーション科診療部長
2017年より現職
大阪府歯科医師会老人歯科保健推進部会オブザーバー
日本慢性期医療協会　日本慢性期リハビリテーション学会　口腔・栄養部会委員
全国老人保健施設協会学術委員会委員
日本リハビリテーション病院・施設協会医科歯科連携委員会委員
日本老年歯科医学会：広報・研修，社会保険，支部組織地域医療検討委員会各委員会委員　など

【抄録】
　平成26年度の厚生労働省において75歳以上の後期高齢者医療の被保険者に係る歯科健診に対する予算が大幅に拡充された。この後期高齢者歯科健診の概要は，口腔機能低下による嚥下性肺炎等を予防するための，歯・歯肉の状態や口腔衛生状態等をチェックする歯科健診を実施することとなっている。また，本歯科健診が円滑に実施できるよう，日本歯科医師会と日本老年歯科医学会の共同により例示された問診票例が広域連合に参考送付されている。その問診票例の検査項目として，歯の状態（う蝕，義歯の状況等），口腔衛生状況，歯周組織の状況等，咀嚼能力評価，舌機能評価，嚥下機能評価などが例示されている。
　つまり本健診は，う蝕，歯周疾患などの歯の状態評価に加え，口腔機能も含めた評価が実施される内容となっており，近年注目を集めている，オーラルフレイル，さらには新たに保険収載された口腔機能低下症をスクリーニングするシステムと言っても過言ではないであろう。
　本シンポジウムでは地域での本健診実施報告を通し，「高齢者の口腔機能を診る」システム作りの重要性を議論できれば幸いである。