The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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認定医審査ポスター

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Fri. Jun 22, 2018 9:50 AM - 4:50 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[認定P-39] 転院先との多職種連携により摂食嚥下リハビリテーションを継続して食形態を改善できた症例

○松下 新子1 (1. 長崎大学病院特殊歯科総合治療部)

【目的】
 転院時の病院間での情報共有は文書で行われることが多く,転院後は連携する機会が少ない。今回,転院先との多職種連携により摂食嚥下リハビリテーションを継続し,食形態を改善できた症例を経験したので報告する。
【症例及び処置】
 72歳,男性。弓部大動脈置換術,僧帽弁形成術,三尖弁形成術後。腎不全あり血液透析中。肺炎にて入院歴あり。2012年6月当院入院中に当科初診,嚥下内視鏡検査(以下VE)にて嚥下機能低下,食物誤嚥を認め経口摂取不可と判断し間接訓練より開始した。VE評価後ゼリー食より開始となるが熱発認める場合もあった。術後経過は良好のため7月転院となった。嚥下造影検査(以下VF)での評価も含め,転院先(以下A病院)に情報提供した。評価結果に伴いペースト食へ変更するものの微熱・誤嚥性肺炎疑うとのことで,A病院より栄養士及び理学療法士とともに当科外来受診,同席でVE・VFを行い,評価結果より必要な間接訓練内容,摂取前後の吸引,摂取時の一口量・摂取ペース等指導,補食指導等を行った。それをもとにA病院での間接訓練,摂取状況確認しながら経口摂取継続した。その後も栄養士等とともに定期的に受診し,A病院での摂取状況,体温変化,栄養状態等の経過の詳細を確認でき,嚥下機能評価,機能に応じた間接訓練を継続した。
【結果と考察】
 12月退院時には水分は低粘度とろみ付与継続しているものの,嚥下機能改善を認め,常食10割摂取まで移行できた。退院後も当科での摂取指導継続しながら,当科及びA病院受診時も間接訓練を継続できた。転院後も多職種連携により直接情報共有することで,訓練継続,摂取状況経過観察しながら栄養状態や食形態を改善することも可能と考えた。