一般社団法人日本老年歯科医学会 第34回学術大会

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

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摂食機能療法専門歯科医師更新ポスター

2023年6月16日(金) 11:30 〜 18:00 ポスター会場 (1階 G3)

※発表なし掲示のみ

[摂食更新P-5] 摂食嚥下リハビリテーション学を中心とした歯科医療従事者養成コースの活動報告

○大岡 貴史1 (1. 明海大学歯学部機能保存回復学講座摂食嚥下リハビリテーション学分野)

【目的】
歯科医療における摂食機能評価や支援の必要性は高まっており,摂食嚥下リハビリテーションが行える歯科医療従事者を養成することは地域医療の推進においても重要と考えられる.地域歯科医師会や歯科診療所と連携して摂食嚥下リハビリテーションを行える歯科医師,歯科衛生士の養成コースを実施したので報告する。
【方法】
東京都,埼玉県,千葉県,神奈川県の歯科診療所に勤務する歯科医師,歯科衛生士を対象として,6回の講義および実習による研修会を実施した。2019年に開催した養成コースでは,①解剖・生理学,②摂食嚥下機能の正常像,③摂食機能の異常所見,④スクリーニング検査実習,⑤栄養状態,⑥嚥下内視鏡検査実習を月に1回のペースで行った。新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年以降はオンラインによる講演会や参加人数を10名以下に限定した実習を中心として開催した。2022年からは対面による講義および実習を一部再開させるとともに,養成コースの内容を拡大し,12回の講義・実習とした。歯科医師には別途3回の嚥下内視鏡検査実習と5回の嚥下内視鏡検査実施(患者を対象とした診療)を実施または予定している。また,養成コースをすべて受講した参加者には日本摂食嚥下リハビリテーション学会eラーニングの内容に準拠した確認試験を実施する予定である。
【結果と考察】
2019年7月から埼玉県で開催した養成コースでは,26名の歯科医師と9名の歯科衛生士が参加した。また,東京都で開催した養成コースでは,8名の歯科医師と23名の歯科衛生士が参加した。このうち,埼玉県では4名,東京都では8名の歯科医師が嚥下内視鏡検査実習に参加し,うち5名がそれぞれの歯科診療所で嚥下内視鏡検査を含めた摂食嚥下リハビリテーションを診療に取り入れた。 2022年からの養成コースには60名以上の参加希望があったため,30名に制限して養成コースを実施している。現在は基本講義として「解剖・生理学」「摂食嚥下の正常・障害像」「摂食機能検査の適応」「栄養評価と食内容」をオンライン形式で実施し,8回の実習を実施する予定である。また,2023年後半にも同様の養成コースを実施し,参加できなかった希望者に対して研修を行う予定である。
(COI開示:なし 倫理審査対象外)