The 34th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

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摂食機能療法専門歯科医師更新ポスター

Fri. Jun 16, 2023 11:30 AM - 6:00 PM ポスター会場 (1階 G3)

※発表なし掲示のみ

[摂食更新P-12] 当院における地域医療連携活動と連携により訪問嚥下内視鏡(VE)検査を行った患者を通しての問題点の検討

○廣畠 広実1 (1. 社会医療法人 若竹会 つくばセントラル病院歯科口腔外科)

【緒言】  
 当院では地域医療連携を推進するため2002年6月より摂食嚥下に関する勉強会を多職種対象に継続(現在第100回)している。また医師会主催の在宅関係者の会合に参加し摂食嚥下の講演などの活動もしている。その効果もあり紹介患者も増加してきている。来院困難な在宅患者に対しては連携で依頼を受けて訪問VE検査を実施している。今回当院の地域医療連携活動の詳細と訪問VE検査を実施した患者の現状を通して地域医療連携の問題点を検討したのでその概要を報告する。
【方法】
 2018年7月4日~2022年12月31日の期間に訪問VE検査を施行した患者22例(男性13例, 女性9例, 平均年齢72.8)を対象とした。性別, 年齢, 疾患, 紹介元, 検査前後の藤島摂食嚥下状況のレベル(FILS), 検査後の継続嚥下訓練(訓練)の状況を調査した。その結果をもとに地域医療連携の問題点について検討を行った。
【結果と考察】
 疾患別にみると脳血管疾患が11例と多くみられた。紹介元はかかりつけ歯科医10例, かかりつけ医10例, 施設が2例であった。すべて勉強会や会合に出席した医療機関, 施設からであった。FILSは検査後上昇が13例, 変化なしが6例, 低下が3例であった。検査後の訓練は, かかりつけ歯科医では全例が紹介元の医療機関で行っていた。かかりつけ医では2例が当院STによる訓練を行ったが, 残りの8例と施設2例は行っていなかった。今回の症例には胃瘻造設され経管栄養のみの患者が VE検査より経口摂取可能となった5症例や, 発熱があるが家族が経口摂取にこだわり危険な食事介助していた症例についても, 画像を家族と共有することにより摂食状況レベル低下を容易に許容することができた症例もありVE検査の客観的評価が在宅患者においても重要であると考える。訓練を継続し, 複数回VE検査を施行した症例では経管栄養から経口摂取可能となり食形態アップとなった症例もあり, 検査後も訓練を行うことが大切である。しかし, シームレスな医療連携が理想であるが検査後の訓練が困難な症例が10例みられた。かかりつけ医に報告してもその後の行動がない場合や歯科医療機関への紹介も行っているが, 対応可能な歯科医療機関が少ないのが現状である。当院で行っている勉強会は座学中心で行っていたが, 実習なども取り入れ対応可能な医療機関を増やす努力や嚥下の地域ネットワーク作りなどが必要であると思われた。
(COI開示なし)(つくばセントラル病院倫理審査委員承認番号230101)