The 34th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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優秀ポスターコンペティション

優秀ポスターコンペティション » 地域歯科医療部門

優秀ポスター賞コンペティション
地域歯科医療部門

Fri. Jun 16, 2023 5:00 PM - 6:00 PM ポスター会場 (1階 G3)

[優秀P地域-5] 在宅医療における動画での医療・介護連携の実際と注意点

○木森 久人1,4、河野 孝栄2,4、金子 亮3,4 (1. 医療法人社団八洲会、2. 青柳歯科医院、3. 金子歯科医院、4. 小田原歯科医師会)

【緒言・目的】
在宅での連携においては紙ベースでの連絡や電話などによる連絡による連携が主となっている。しかし紙ベースでは専門用語や歯科特有の表現などでわかりにくいこともある。また電話での連絡は両者の時間に制約があり,スムーズな意思疎通を図ることが難しいこともある。そこで診療時に動画を撮影し,その動画を共有することによって治療について,また歯科について理解を深めてもらいスムーズな意思疎通を図ることができないか検討した。 なお,演題発表に関連し開示すべきCOI関係にある企業などはありません。
【症例および経過】
72歳男性。自宅にて妻,娘と3人暮らし。昼間は娘は仕事のため不在のことが多い。妻は認知症があり,言われればある程度できるが自発的な行動は少ない。自宅での治療時にキーパーソンである娘が不在のことが多く,治療の要点や日常的な留意事項などについてノートへの記載で伝えているが,うまく伝わらないことも多く,治療中の動画を編集し見やすい形にして娘に見てもらうことにした。娘からは治療時の本人の様子がわかり,文字だけでなく何をしているのかが一目瞭然で,治療時の指導内容についても頭に入ってきやすいというコメントをいただいた。
【考察】
治療中の動画の撮影は現在はゴーグル型ビデオカメラを使用し,POV(術者視点)の動画を撮影している。患者さんの顔や治療中の場所が撮影しやすいメリットがあるが治療全体風景が映ることは少ないというデメリットもある。また現在はバッテリーの問題で丸1日の撮影は難しく,途中で充電はするものの撮影できない患者さんがでてしまうことがある。 また,今回はSDカードを用いて動画の提供を行ったが,ネットを介しての動画提供も検討している。家族だけでなく,ケアマネや主治医,ヘルパーにも同じ情報を提供でき,日常的なケアを動画にて指導できることは大きなメリットになると考えている。情報流出のリスクをできる限り減らしつつ,簡便なアクセスができるようなシステムを作れないか,検討していく。 またPOV視点のみでなく3人称視点での動画や,現場ではなく写真,動画を用いつつ歯科医師が治療経過について説明する動画による情報提供などもできないか,今後検討していきたい。 現在はまだケースは少ないが,将来的には家族が同席できないケースでは積極的に動画による治療説明,指導について増やしていきたいと考えている。(COI開示:なし)(倫理審査対象外)