The 34th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(口演発表)

一般演題(口演発表) » [一般口演3] 連携医療・地域医療/加齢変化・基礎研究

一般口演3
連携医療・地域医療/加齢変化・基礎研究

Sat. Jun 17, 2023 3:05 PM - 4:05 PM 第3会場 (3階 G304)

座長:
西 恭宏(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科口腔顎顔面補綴学分野)
柏崎 晴彦(九州大学大学院歯学研究院高齢者歯科学・全身管理歯科学分野)

[O3-1] 愛知歯科医療センター口腔機能検査事業の立案から運用まで

○武藤 直広1、朝比奈 義明1、宮本 佳宏1、丹羽 浩1、日置 章博1、山中 佑介1、森田 知臣1、小川 雄右1、籾山 正敬1、上野 智史1、南 全1、富田 喜美雄1、鈴木 雄一郎1、冨田 健嗣1、森 幹太1、渡邊 俊之1、内堀 典保1 (1. 一般社団法人 愛知県歯科医師会)

【緒言】
愛知県歯科医師会では高齢期のオーラルフレイル対策の推進に向けて,県行政と連携して保健事業及び歯科臨床の場において,適切に口腔機能評価ができる人材育成を行うとともに,オーラルフレイルの早期発見と口腔機能の回復維持にかかる地域支援体制の充実を図ることを目的としオーラルフレイル対策地域推進委員会の設立や,一次医療機関と連携した愛知歯科医療センター口腔機能検査事業を立案し,2023年4月から運用を開始する。今回,当歯科医療センター口腔機能検査事業の立案から運用までを紹介する。
【方法】
当会が運営する愛知歯科医療センターにおいて,月1日午前に口腔機能低下症に特化した外来を開設し,担当医は管理計画の立案までを担当することとした。口腔機能低下症の検査,診断に加え,認知症予防や鑑別のためにMoCA-Jも検査項目とした。その後,一次医療機関での口腔機能管理をしていく。
【結果と考察】
県下一次医療機関において検査機器の導入は容易ではなく,施設基準申請も必要とされることから,検査機器の施設基準申請は2022年12月現在で咀嚼能力検査が12.9%,咬合圧検査が1.3%,また,舌圧検査の算定の医療機関数も253施設と愛知県医療機関全体の6.9%と低く。実際に口腔機能低下症の算定回数は現在までそれほど伸びていない(NDBオープンデータ参照)。当センターが検査を担当し,また不明瞭な治療法,管理計画まで担当することはオーラルフレイルに対応する一次医療機関の一助になる。また,多職種によるオーラルフレイル対策地域推進委員会の設立により,地区での取り組み状況の把握や課題が共有され連携の強化に繋がると思われる。現在,愛知県下でのオーラルフレイル対策の取り組み状況は,オーラルフレイル健診を中心とした7市町村に留まり,地区からの予算の確保,費用対効果等が議論され,健診後の対応策も検討されている。口腔機能管理に対応できる人材育成と医院については,「高齢者口腔機能評価推進研修会」の開催,口腔機能評価及び保険指導内容の標準化を図るために手引き書を作成することを検討した。今後,県下の医療圏においてオーラルフレイルの早期発見と口腔機能の回復維持にかかる地域支援体制の充実を図るには,県下数か所の歯科医師会が運営する地区センターにも普及を促していく所存である。
(COI開示:なし)(倫理審査対象外)