一般社団法人日本老年歯科医学会 第34回学術大会

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一般演題(口演発表)

一般演題(口演発表) » [一般口演6] 教育/オーラルフレイル・口腔機能低下症

一般口演6
教育/オーラルフレイル・口腔機能低下症

2023年6月18日(日) 14:10 〜 15:20 第3会場 (3階 G304)

座長:
服部 佳功(東北大学 大学院歯学研究科 リハビリテーション歯学講座 加齢歯科学分野)
渡邊 裕(北海道大学大学院歯学研究院口腔健康科学分野 高齢者歯科学教室)

[O6-5] Webサービスを活用した通いの場や介護予防教室等におけるオーラルフレイルに対する予防事業の実践

○小向井 英記1,2、今井 裕子2、東浦 正也1,2、福辻 智1,2、中嶋 千惠2、溝上 裕久1、平山 隆浩1 (1. 一般社団法人 奈良県歯科医師会、2. 医療法人 小向井歯科クリニック)

【目的】
歯科において通いの場や介護予防教室でオーラルフレイル予防をテーマに取り組んでいくことは非常に重要である。しかしながら新型コロナの影響により,関与が制限されている現状がある。そのような現状に対してWebサービスを活用することで,歯科医療職が多くの場所でオーラルフレイル予防事業を展開することを促し,今後は歯科医療職が直接関わらなくても現場でオーラルフレイル予防のプログラムが実践できるシステム作りを目的とした。
【方法】
奈良県内の通いの場や介護予防教室6箇所の参加者76名を対象とし,その参加者にはWeb会議シス テムを用いて,歯科医師会館と現場をオンラインでつないで,リモートによるオーラルフレイル予防のための介護予防プラグラムを実施した。また今回のプログラム用に開発した4種類のオーラルフレイル予防・健口体操についてはYouTubeに動画をアップし,当会公式チャンネルとして開設し,居宅や介護の現場で広く活用できるようにした。
【結果と考察】
コロナ禍で対面での会議の開催が制限されている中で,Webサービスを活用してオーラルフレイル予防 事業を実践すればいいと考え本システムを考案,事業を実施したが,感染拡大で通いの場や介護予防教室自体が中止となったケースもあり,事業縮小を余儀なくされる結果となった。しかしながら,実施できた施設では,リモートでWeb配信されている画像に,現場で実地指導を組み合わせることによって参加者の理解度とモチベーションが高まり,オーラルフレイル予防の啓発効果も高まるものと考えられる。その反面ハイブリッド型の欠点は研修会数が限定されることにあり,完全Web型になれば講師は歯科医師会館など1箇所に留まればよく,同日に幾回もの研修会を開催することができるため,啓発機会を増やすことが可能となる。また,更なるオーラルフレイル啓発効果の波及を期待するならば,今回の事業で制作し,活用したYouTube動画による健口体操は大変有効であり,いつ、どこにいても,誰でも,予防の目的によって使い分けながら実践することができる。そして今回の参加者調査では多くのオーラルフレイルリスク者やハイリスク者が多く含まれていることが示唆され,同予防事業の対象者としては妥当であると考えられるので,今後も積極的に事業を展開していきたい。
(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)