一般社団法人日本老年歯科医学会 第34回学術大会

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ポスター発表1
実態調査

2023年6月17日(土) 10:00 〜 10:30 ポスター会場 (1階 G3)

座長:尾崎 由衛(歯科医院 丸尾崎)

[P03] 当県における在宅歯科医療体制への取り組み

○宮本 佳宏1、山中 佑介1、日置 章博1、丹羽 浩1、武藤 直広1、鈴木 雄一郎1、森田 知臣1、上野 智史1、籾山 正敬1、南 全1、小川 雄右1、富田 喜美雄1、朝比奈 義明1、冨田 健嗣1、森 幹太1、渡邊 俊之1、内堀 典保1 (1. 一般社団法人 愛知県歯科医師会)

【目的】
口腔機能の低下により,特に経口摂取が困難な要介護高齢者が増加している。嚥下障害は誤嚥性肺炎の原因にもなり,摂食嚥下機能の評価の重要性は高まっている。しかし,社会的ニーズが求められるかかりつけ歯科医師の在宅歯科医療は口腔ケアに留まり,摂食嚥下機能に対する評価は不十分であると思われる。摂食嚥下機能に関する検査や評価ができる在宅歯科医療のシステム構築が望まれる。当会では県行政と連携して在宅歯科医療の推進や啓発を進めている。今回愛知県における会員の在宅歯科医療実態調査報告並びに体制確保に向けた取り組みについて報告する。
【方法】
会員3,907名を対象に,アンケート調査を行った。回答は無記名,匿名化されており倫理面に配慮した。会員には在宅歯科医療の導入支援のための研修会の開催や診療,検査,指導内容の標準化を図るため,手引き書を作成して活用するように配布した。また,在宅歯科医療の体制確保に向けて,地域のニーズと課題を把握するとともに,地域における保健・医療・介護・福祉との連携強化,在宅歯科診療に従事する人材確保を進めることを目的に,行政を交え在宅医療提供体制検討会を開催した。
【結果と考察】
アンケートは698名から回収され,回答者の約6割の会員が在宅歯科医療の実施をしていた。地区別には,実施率の高い地区もあれば低い地区もあった。低い地区に対して在宅歯科医療導入支援研修を行うことが考慮される。また導入障壁として地区により差があるように思われ,地域での需要に対して郡市区歯科医師会が主導となりシステムを整備構築することで偏りの是正改善が望まれる。検討会では,各医院の「人手不足」や「時間がない」という回答に対しては,歯科衛生士をはじめコデンタルスタッフの就業支援なども必要であるとの意見もあった。また「やり方がわからない」という回答には,手引書や在宅歯科医療導入支援研修会の内容,活用方法を検討した。更に,在宅歯科診療を行う医療機関と帯同見学研修も行うことで,会員の育成が望まれる。(COI開示:なし)(倫理審査対象外)