一般社団法人日本老年歯科医学会 第34回学術大会

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ポスター発表2
実態調査

2023年6月17日(土) 10:30 〜 11:00 ポスター会場 (1階 G3)

座長:石田 瞭(東京歯科大学摂食嚥下リハビリテーション研究室)

[P09] 地域歯科クリニックにおける歯科訪問診療依頼の実態

○内山 宙1,2,3、二見 和臣1,2,3、壁谷 玲3 (1. 東京歯科大学 千葉歯科医療センター、2. 東京歯科大学 老年歯科補綴学講座、3. 医療法人社団優心会 東林間歯科)

【目的】
 近年歯科訪問診療の齲蝕治療や義歯製作に留まらず,様々な依頼が増加している。そこで当院の12か月間の診療内容を確認することで,地域から歯科訪問診療に求められる実態を明らかにすることを目的とした。
【方法】
 令和4年1月から12月までの期間で,当院が行った訪問歯科診療の治療内容を調査した。当院で使用しているレセプトコンピューターで患者の各治療件数を確認し,治療内容はカルテで確認を行った。治療内容として齲蝕に関わる処置,義歯に関わる処置,嚥下に関する処置,インプラントに関わる処置,口腔衛生管理依頼および他院との医療連携をそれぞれ検出した。
なお,本報告は倫理審査対象外である。
【結果と考察】
 齲蝕に関わる処置は127件,義歯に関わる処置は420件,嚥下に関する処置234件,インプラントに関わる処置は4件,口腔衛生管理依頼は737件,他院との医療連携は185件であった。他院との医療連携を行う場合は,リスクの高い抜歯の依頼,小帯切除依頼,口腔癌疑いの精査依頼および主治医との抜歯に関わる患者情報の確認を目的に行われていた。インプラントが埋入されている患者件数はインプラントに関わる処置の件数よりも多いが,多くは問題なく経過していた。嚥下に関わる処置が多いことから,嚥下の治療は訪問歯科診療に依頼するという考え方が地域に浸透していると考えられる。以上より訪問歯科診療をする歯科医師には齲蝕や義歯治療に加え,嚥下に関わる治療知識も必要であることが示唆された。
(COI開示:なし)
(倫理審査対象外)