一般社団法人日本老年歯科医学会 第34回学術大会

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一般演題(ポスター発表)

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ポスター発表12
連携医療・地域医療

2023年6月18日(日) 10:25 〜 10:55 ポスター会場 (1階 G3)

座長:渡部 芳彦(東北福祉大学健康科学部)

[P62] コロナ禍における訪問歯科衛生士の取り組み
−患者・家族の笑顔を目指して−

○福田 泉1,2、加地 彰人2 (1. 宇摩歯科医師会在宅歯科医療連携室、2. 医療法人 あき歯科医院 )

【目的】
新型コロナウイルス感染症の出現から幾度にも亘り流行と収束を繰り返している。流行に伴い,自粛生活を強いられさらに利用している介護サービスにも制限がかかり,また入院となると面会が思うように出来ない状況である。このような状況の中,訪問歯科衛生士として患者・家族とどのように寄り添いどんな関わりをすることが笑顔に繋げることができるかを考え取り組んできた。その取り組んだ結果と今後の訪問歯科衛生士の役割について報告する。
【方法】
在宅療養中の要介護5の3名の方に対し最期までシームレスな口腔健康管理を提供してきた。コロナ禍で関わる中,口腔の問題点を解決しながら患者・家族の思いを聞き一人の人間として今までどう生きてきてこれからどう生きたいかを共有した。その思いに応えるべく多職種と連携しきれいな口から動く口,そして食べる口への支援を行った。さらに患者が好きだった音楽,スポーツ,花など趣味に対してのアプローチも行った。入院中には感染対策のもと,病棟で継続した口腔ケアを実施しビデオ通話にて患者・家族の不安を取り除くことが出来た。そのような取り組みの効果について検討を行った。なお,本報告の発表について対象者の方々には同意を得ている。
【結果と考察】
訪問による口腔ケアは単なる専門的口腔清掃,粘膜ケア,口腔リハビリに止まらず患者・家族の愉しみ、生きる意欲に繋がっている。表情が穏やかになり声を発し,好きなものを摂取し味わうことの喜びを感じてもらえる。患者の背景にある生活,患者の人生観や価値観などを共有しながら患者・家族を最期まで支えていく役割が訪問歯科衛生士にあると関わりを通じて感じた。コロナ禍に於いて訪問歯科衛生士の活動にも影響があるが,感染対策に努め訪問で関わる患者さんがその人らしく過ごす為にどうすればいいのかを考え務める必要があると考える。 (COI開示:なし)